【献杯】  | 口コミだけで、日本全国!出張バーテンダーまちゃの日々

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今日は、どこに行ってるのかのブログです。


ちょっと変な話を。
 
「大切な人の死を悼むために
献杯のためのカクテルをつくってほしい」
そんなきっかけをいただけることが
この仕事をしてると、ままあります。
 
故人にひとり想いを馳せる選択肢もあるはずなのに
わざわざ僕に伝えてくれて
こうして依頼してくれるという事は
一人の人間として、とても有り難い話で。
 
んで、そんなときのこっち側の気持ちなんですけど
うまくやらなきゃー、とか
ちゃんとした美味しいものをー、っていうよりも
「目の前の人と、その大切な人を感じること」に
全集中してつくるんですね。
 
いやうそ。9:1くらいかな。
1割は無意識で分量考えてるわ。
全集中って言いたかっただけですごめんなさい。
 


まぁ、9割くらいっすね。
お酒を調合してる時は
目の前の人と、その大切な人を感じながら。
どれだけ相手を、大切に想っていたのか
どれだけ相手に、愛されていたのか
ふたりの気持ちや
なんとなくの存在に想いを馳せていて
 
その流れで、シェイカーを振るとですね
不思議な事に、創らせてもらえたことの
「ありがたいなぁ」という気持ちが
自然と、湧いてくるんです。
    
二人への心の安らぎと
心からの感謝が混ざりあって
この特別な瞬間は
自己?自我?を超えているような感覚で
相手を想う気持ちに
めちゃくちゃ純粋になれるんです。
 
んで、
そうやってお酒を創っている時間というのは
なんだかとても優しい気持ちにさせてもらえるので
結果的に、依頼者よりも創り手が
いただく感情のが多いんですよ。
 
ちなみに、あとから創ってる動画を見て思ったのが
シェイカー振る時の姿が「祈り」の姿に似てるんよね
 
変な力が入ってなくて
自分史上、最高にやわらかくて
やさしい振り方をしている。
 
まだ癒えてないあなたのこころに
少しでも、寄り添えるように。とか
でも、哀しみばかりに気を奪われないように。とか。
いい人生を、歩めましたか
素敵な経験を、沢山味わえましたか
あなたを大切に想っている人が
いま、ここにいますよー。って。
 
液体には、人の想いが宿りやすいので
創るときのこころの純度は上げていきたい。
そうやって献杯のカクテルは、
創らせてもらってます。
 
モノ創りをされてる方々は
みんなそうかもしれないけれど
こういう特別な体験が
自分を成長させてくれてると感じるし
選んでもらえるというのは
なんとも職人冥利につきるよね、という話でした。

職人さんのそういう話、
沢山あるよね。きっと。
色々聞いてみたい。