インフルエンザ流行の拡大に伴い、インフルエンザ脳症例の報告例が増加している。2019年第37週に今シーズン初となる2例が報告されて以降、47週までに1~4例の報告が続き、48週には13例と急増した。既に34例に上っており、2歳児と5歳児の報告時死亡例も確認されている。

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 国立感染症研究所が発表している感染症週報を基に急性脳症の報告例を抽出。インフルエンザウイルスが原因と明記されている症例を集計したところ、第48週(11月25日~12月1日)までに34例のインフルエンザ脳症が確認された(図1)。うち2例(2歳児と5歳児)は、報告時死亡例だった。

 年齢別に見ると、10歳以下が33例と大半を占めており、残りの1例は70歳代だった。

 インフルエンザウイルスのタイプは、A型が29例で不明が5例だった。A型のうち亜型が判明している症例は、A/H1N1pdm09が3例、A/H3N2亜型が4例だった。

図1 インフルエンザ脳症の報告数の推移