医薬品医療機器総合機構(PMDA)は2019年10月23日、「PMDAからの医薬品適正使用のお願い」を発出し、ラモトリギン(商品名ラミクタール他)について、重篤な皮膚障害の副作用を来した症例において用法・用量が順守されていない事例が多いとして、定められた用法・用量を順守するよう注意喚起を行った。

 ラモトリギンは、定められた用法・用量を超えて投与した場合に皮膚障害の発現率が高くなることが示されており、これまでも「PMDAからの医薬品適正使用のお願い」や安全性速報(ブルーレター)により何度も注意喚起が行われている。

 今回の注意喚起は、ラモトリギンを投与する際に、下記2項目を徹底するよう、医療従事者に注意を促す内容となっている。

◎用法・用量を順守してください
・投与開始時に定められた用量を超えないこと
・定められた増量の時期を早めないこと

◎添付文書に準じて、患者へ重篤な皮膚障害について服薬指導を行ってください
・重篤な皮膚障害などの副作用が出る場合があること
・皮膚障害の初期症状が出たらすぐに受診すること
・用法・用量を守ること

 PMDAによると、2017年11月から2018年10月までに報告されたラモトリギンの重篤 皮膚障害は104件。このうち19件は用法・用量が順守されていなかった。

 用法・用量を順守せずに重篤な皮膚障害を生じた症例は、基本的には医薬品副作用被害救済制度において救済の支給対象にならない。実際に、不適正使用と判断されて不支給となった事例は多く、2014~2018年度に不適正使用により不支給となった事例235件のうち、92 件をラモトリギンの事例が占めていた。