インフルエンザの流行がピークアウトした模様だ。各都道府県がまとめているインフルエンザ定点当たり報告数(速報値)によると、2月3日までの1週間(第5週)に全国の定点医療機関を受診した患者数は、定点当たり43.24人と前週の57.09人から減少した。ただし、依然として全国的に警報レベルを超えており、引き続き感染対策に取り組む必要がある。
第5週に最も定点当たり報告数が多かったのは埼玉県で、65.68人だった。これに、新潟県(62.51人)、宮城県(58.77人)、千葉県(56.89人)、大分県(52.14人)、石川県(51.73人)と続いている。
ピークに達してから警報が解除された週(目安である10人を切った週)までの期間は、A/H1N1pdm2009が季節化した2011年以降、5~10週で推移しており、平均で8週だった。この傾向が続いた場合、今シーズンは3月半ばごろ(第11週)まで警報レベルが継続すると推測される。
図1 インフルエンザ流行の動向
(各都道府県がまとめているインフルエンザ定点当たり報告[速報値]をもとに作成)
流行ウイルスはAH3亜型が首位に
国立感染症研究所の週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数(2月7日時点)によると、タイプ別に見た流行ウイルスの順位に変動があった。これまで主流だったAH1N1pdm09の割合が減少する一方、AH3亜型が増加。直近5週間ごとの推移を見ると、第1~5週でAH3亜型が52.9%となり、AH1N1pdm09の46.2%を上回った(図2)。主流ウイルスの順位が変わったのは、今季初めて。なお、B型は、山形系統、ビクトリア系統ともに、0.4~0.8%と少なく、今のところ変動はうかがえない。
今シーズンの流行ウイルスの割合は、第5週までの累計で、AH1N1pdm09が59.4%と最も多い。AH3亜型は、38.4%と4割近くに増えている。B型の山形系統とビクトリア系統は、ともに0.7%だった。
図2 直近5週ごとに見た流行ウイルスの割合の推移
(国立感染症研究所の週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数を基に編集部で作成)