インフルエンザが猛威を振るう中、重症度の指標の1つである脳症の報告も増えている。国立感染症研究所のインフルエンザ脳症サーベイランスによると、今シーズンは2019年第2週までに44例にのぼることが明らかになった。報告時死亡例は、1歳児と10歳代の2例だった。
日本では感染症法に基づいた感染症発生動向調査により、急性脳炎の全例が報告されている。そのうち、病原体としてインフルエンザウイルスの記載があった報告が、インフルエンザ脳症として集積されている。
今シーズンは2018年第39週に初めての症例が報告され、第45週に1例、第48週以降は連続で2~5例の報告があり、2019年第2週には15例と急増した(図1)。累計で44例で、報告時死亡は1歳児と10歳代の2例だった。昨シーズンは、同時期の累計が55例、報告時死亡は3例だった。
インフルエンザの流行規模は、第3週の全国の定点当たり報告数で見ると、昨シーズンが51.93人、今シーズンは53.91人とほぼ同規模となっている。第36~2週の全国定点当たり報告数の合計に占めるインフルエンザ脳症の報告数の割合を見ると、今シーズンは0.532で、昨シーズンの0.593より若干少なくなっている。ただし、昨季は166例と新型インフルエンザが発生した2009年以降で3番目に多かったことを考えると、今季も注視していかなければならない。
今シーズンの脳症例は年齢別に見ると、10歳未満が31例と7割を占めている。10歳代が6例のほか、20歳代(1例)、40歳代(3例)、60歳代(2例)、80歳代(1例)と成人例も報告されている点は留意すべき点だ。
図1 インフルエンザ脳症の発生推移