敗血症患者に対するステロイドの有効性と安全性について検討した臨床試験は数多く行われているが、その利益とリスクについては一貫した結論が得られず議論が続いていた。中国四川大学のFang Fang氏らは、ランダム化対照試験(RCT)を対象とする系統的レビューとメタアナリシスを新たに行い、ステロイドの使用は短期の死亡率を減らしていたと報告した。結果はJAMA Internal Medicine誌電子版に2018年12月18日に掲載された。
この問題については、過去の系統的レビューでも死亡率を減らすというものと、生存利益はないとするものが報告されており、結論が一致していない。一方、2018年には過去の研究に比べサンプル数の多い大規模なRCTが新たに2件報告されたため、著者らは改めて系統的レビューとメタアナリシスを試みることにした。
MEDLINE、Embase、コクランセントラルに2018年8月10日までに登録されたRCTの中から、敗血症、重症敗血症、敗血性ショックと診断された18歳以上の患者を、各種のステロイドまたはプラセボ、もしくは標準支持療法(抗菌薬の投与、輸液、強心薬や昇圧薬の投与、機械的換気、透析などを必要に応じて実施)に割り付けて、成績を比較していた研究を選出した。
主要評価項目は28日死亡率に設定した。2次評価項目は、院内死亡率やICU死亡率、90日死亡率、7日時点のSOFAスコア、ICU滞在日数、入院日数、28日時点までの昇圧薬フリー日数や呼吸器フリー日数などとした。有害事象として、消化管出血、重複感染、高血糖、高ナトリウム血症などを調べた。RCT以外のケースリポートや観察研究は対象に含めなかった。
検索でヒットした9939件の文献のうち、条件を満たしたRCTは37件あり、合計で9564人を28日死亡率の分析対象にした。それらは1963年から2018年に報告されており、試験の登録患者数は26人から3800人で、15件は多施設試験だった。対照群に標準支持療法を適用していた研究は1件のみで、36件はプラセボと比較していた。18件は敗血性ショック患者を対象にしていた。
32件は低用量ステロイドの、7件は高用量ステロイドの影響を検討していた。21件はヒドロコルチゾン、3件はヒドロコルチゾン+フルドロコルチゾン、4件はプレドニゾロン、4件はデキサメタゾン、6件はメチルプレドニゾロン、1件はベタメタゾンを投与していた。適用されていた1日用量は、ヒドロコルチゾン当量にして30mg/kgから600mg/kgの範囲だった。バイアスリスクが低かった研究は、37件のうち11件だった。
32件の試験が、8699人の患者の28日死亡率を報告していた。28日死亡率は、ステロイド群が26.3%、対照群が29.2%で、リスク比は0.90(95%信頼区間0.82-0.98、I2=27%)だった。同様に、院内死亡率のリスク比0.88(0.79-0.99、I2=38%)、ICU死亡率のリスク比は0.85(0.77-0.94、I2=0%)で、ステロイドの使用と死亡率の低下に有意な関係が見られた。しかし、90日死亡率について報告していた3件の研究の結果を合わせて分析したが、リスク比は0.94(0.85-1.03、I2=27%)で有意差は見られなかった。
9件の研究が7日時点のSOFAスコアを報告しており、平均差は-1.38点(-1.87から-0.89点)で、ステロイド群のスコアが低かった。14件の研究が7日時点のショックからの回復率を報告しており、リスク比1.23(1.12-1.35)で、ステロイド群の回復割合が高かった。ICU滞在日数は平均差-1.16日(-2.12から-0.20日)でステロイド群が短かった。一方、入院日数は-0.6日(-2.25から1.04日)、28日までの呼吸器フリー日数は2.03日(-0.38から4.44日)で、両群の差はつかなかった。
有害事象の報告では、ステロイドの使用は高血糖(リスク比1.19、1.08-1.30)と高ナトリウム血症(リスク比1.57、1.24-1.99)のリスク上昇に関係していた。
これらの結果から著者らは、成人の敗血症患者ではステロイド治療によりプラセボや標準支持療法よりも、28日死亡率、ICU死亡率、院内死亡率が低下していたが、今後はさらに、この治療で最も大きな利益が得られる患者を選ぶための研究が必要だと結論している。この研究はNational Natural Science Foundation of Chinaの支援を受けている。
この問題については、過去の系統的レビューでも死亡率を減らすというものと、生存利益はないとするものが報告されており、結論が一致していない。一方、2018年には過去の研究に比べサンプル数の多い大規模なRCTが新たに2件報告されたため、著者らは改めて系統的レビューとメタアナリシスを試みることにした。
MEDLINE、Embase、コクランセントラルに2018年8月10日までに登録されたRCTの中から、敗血症、重症敗血症、敗血性ショックと診断された18歳以上の患者を、各種のステロイドまたはプラセボ、もしくは標準支持療法(抗菌薬の投与、輸液、強心薬や昇圧薬の投与、機械的換気、透析などを必要に応じて実施)に割り付けて、成績を比較していた研究を選出した。
主要評価項目は28日死亡率に設定した。2次評価項目は、院内死亡率やICU死亡率、90日死亡率、7日時点のSOFAスコア、ICU滞在日数、入院日数、28日時点までの昇圧薬フリー日数や呼吸器フリー日数などとした。有害事象として、消化管出血、重複感染、高血糖、高ナトリウム血症などを調べた。RCT以外のケースリポートや観察研究は対象に含めなかった。
検索でヒットした9939件の文献のうち、条件を満たしたRCTは37件あり、合計で9564人を28日死亡率の分析対象にした。それらは1963年から2018年に報告されており、試験の登録患者数は26人から3800人で、15件は多施設試験だった。対照群に標準支持療法を適用していた研究は1件のみで、36件はプラセボと比較していた。18件は敗血性ショック患者を対象にしていた。
32件は低用量ステロイドの、7件は高用量ステロイドの影響を検討していた。21件はヒドロコルチゾン、3件はヒドロコルチゾン+フルドロコルチゾン、4件はプレドニゾロン、4件はデキサメタゾン、6件はメチルプレドニゾロン、1件はベタメタゾンを投与していた。適用されていた1日用量は、ヒドロコルチゾン当量にして30mg/kgから600mg/kgの範囲だった。バイアスリスクが低かった研究は、37件のうち11件だった。
32件の試験が、8699人の患者の28日死亡率を報告していた。28日死亡率は、ステロイド群が26.3%、対照群が29.2%で、リスク比は0.90(95%信頼区間0.82-0.98、I2=27%)だった。同様に、院内死亡率のリスク比0.88(0.79-0.99、I2=38%)、ICU死亡率のリスク比は0.85(0.77-0.94、I2=0%)で、ステロイドの使用と死亡率の低下に有意な関係が見られた。しかし、90日死亡率について報告していた3件の研究の結果を合わせて分析したが、リスク比は0.94(0.85-1.03、I2=27%)で有意差は見られなかった。
9件の研究が7日時点のSOFAスコアを報告しており、平均差は-1.38点(-1.87から-0.89点)で、ステロイド群のスコアが低かった。14件の研究が7日時点のショックからの回復率を報告しており、リスク比1.23(1.12-1.35)で、ステロイド群の回復割合が高かった。ICU滞在日数は平均差-1.16日(-2.12から-0.20日)でステロイド群が短かった。一方、入院日数は-0.6日(-2.25から1.04日)、28日までの呼吸器フリー日数は2.03日(-0.38から4.44日)で、両群の差はつかなかった。
有害事象の報告では、ステロイドの使用は高血糖(リスク比1.19、1.08-1.30)と高ナトリウム血症(リスク比1.57、1.24-1.99)のリスク上昇に関係していた。
これらの結果から著者らは、成人の敗血症患者ではステロイド治療によりプラセボや標準支持療法よりも、28日死亡率、ICU死亡率、院内死亡率が低下していたが、今後はさらに、この治療で最も大きな利益が得られる患者を選ぶための研究が必要だと結論している。この研究はNational Natural Science Foundation of Chinaの支援を受けている。