2001年に発見されたヒトメタニューモウイルス(HMPV)が、米国の5歳未満小児の入院1000件当たり1件、外来受診1000件当たり55件に関係していることが明らかになった。米Vanderbilt大医学部のKathryn M. Edwards氏らの調査結果で、論文は、NEJM誌2013年2月14日号に掲載された。
HMPVはパラミクソウイルス科に属し、小児や高齢者、慢性疾患患者などの急性呼吸器疾患と入院に関係すると考えられている。ただしこれまで、乳幼児の入院と外来受診にHMPVがどの程度の影響を及ぼしているかは明らかになっていなかった。
著者らは米国の3郡で住民を対象とする前向き調査を行い、03~09年の6回の流行期(各11~5月まで)における5歳未満小児のHMPV感染関連入院や外来受診、救急部門受診の件数を調べた。
急性呼吸器疾患または発熱で入院した患者を48時間以内に登録。並行して、外来受診患者を週に1~2日、救急部門を受診した患者についても週に1~4日間調査を行い、急性呼吸器疾患または発熱の患者を登録した。対照群は同じ3郡に住む5歳未満の健康な小児とした。臨床データと人口統計学的データは医療記録から、また質問票を用いて患者と保護者から入手した。HMPVは鼻または喉から採取したスワブ標本を対象にRT-PCR法で検出した。
条件を満たしたのは1万518人で、HMPV感染が確認されたのは、そのうち646人だった。対照群でも、10人で無症候性ながら感染を確認した。
入院小児では、3490人中200人(6%)がHMPVに感染していた。HMPVが陽性だった入院小児は、HMPVが陰性だった入院小児に比べ、年齢が高く(中央値はそれぞれ生後13カ月、6カ月、P<0.001)、ハイリスクとなる併存疾患(喘息や慢性肺疾患など)を有する割合が高く(40%、30%、P=0.002)、酸素補給を必要とした患者が多く(53%、36%、P<0.001)、集中治療部門(ICU)滞在期間は長く(4.5日、2.0日、P=0.01)、胸部X線検査を受けた割合も高かった(86%、70%、P<0.001)。また、入院中に肺炎と診断された患者はHMPV陽性群に多かった(50%、22%)。ただし、入院期間に有意差はなかった。
5歳未満全体における年間のHMPV関連入院率は、入院1000件当たり1件だった。月齢で分けると、生後6カ月未満で3件、6~11カ月で2件と年齢が低いほど入院率が高かった。
著者らによると、この入院率は、インフルエンザウイルス関連の感染症や、1~3型のパラインフルエンザウイルス関連の感染症による入院率と同じで、RSウイルス(RSV)感染に関係する入院率(1000件当たり3件)より低いという。すなわち、HMPVが5歳未満の小児の入院に及ぼす影響は、他の一般的な呼吸器ウイルス感染とほぼ同様と考えられた。また、米国の人口データから、5歳未満の小児約2万人が毎年HMPV感染で入院していると推計された。
外来受診についても同様の分析を行った。HMPV陽性者は小児3257人中222人(7%)で、陽性者では陰性者より肺炎や喘息と診断された患者が多かった。HMPV感染関連の年間外来受診率は、5歳未満全体の外来受診1000件当たり55件だった。月齢別では、6カ月未満では58件、6~11カ月で102件、12~23カ月で75件、24~59カ月で39件だった。
救急部門を受診した小児では、3001人中224人(7%)がHMPVが陽性だった。HMPV感染関連の救急部門受診率は、5歳未満全体では1000件当たり13件だった。月齢別では、6カ月未満で16件、6~11カ月で29件、12~23カ月で17件、24~59カ月で9件だった。
外来受診1000件当たり55件、救急部門受診13件という数字は、RSV感染の外来受診80件、救急部門受診28件より少なかった。インフルエンザによる受診率と比べると、シーズンによっては同じだった。人口データから推定すると、HMPV感染は年間100万件の5歳未満の外来受診と26万3000件の救急部門受診に関係していると考えられた。
また、1歳を超えると受診率が大きく低下するRSVとは異なり、HMPVはインフルエンザウイルスと同様に、幅広い年齢の幼児に受診を必要とする症状をもたらし、小児の入院と外来受診に大きな負荷を与えていることが明らかになった。
なお、HMPV感染の82%が1~4月に発生していた。特に4月は急性呼吸器疾患患者の10%がHMPV陽性を示した。
HMPVはパラミクソウイルス科に属し、小児や高齢者、慢性疾患患者などの急性呼吸器疾患と入院に関係すると考えられている。ただしこれまで、乳幼児の入院と外来受診にHMPVがどの程度の影響を及ぼしているかは明らかになっていなかった。
著者らは米国の3郡で住民を対象とする前向き調査を行い、03~09年の6回の流行期(各11~5月まで)における5歳未満小児のHMPV感染関連入院や外来受診、救急部門受診の件数を調べた。
急性呼吸器疾患または発熱で入院した患者を48時間以内に登録。並行して、外来受診患者を週に1~2日、救急部門を受診した患者についても週に1~4日間調査を行い、急性呼吸器疾患または発熱の患者を登録した。対照群は同じ3郡に住む5歳未満の健康な小児とした。臨床データと人口統計学的データは医療記録から、また質問票を用いて患者と保護者から入手した。HMPVは鼻または喉から採取したスワブ標本を対象にRT-PCR法で検出した。
条件を満たしたのは1万518人で、HMPV感染が確認されたのは、そのうち646人だった。対照群でも、10人で無症候性ながら感染を確認した。
入院小児では、3490人中200人(6%)がHMPVに感染していた。HMPVが陽性だった入院小児は、HMPVが陰性だった入院小児に比べ、年齢が高く(中央値はそれぞれ生後13カ月、6カ月、P<0.001)、ハイリスクとなる併存疾患(喘息や慢性肺疾患など)を有する割合が高く(40%、30%、P=0.002)、酸素補給を必要とした患者が多く(53%、36%、P<0.001)、集中治療部門(ICU)滞在期間は長く(4.5日、2.0日、P=0.01)、胸部X線検査を受けた割合も高かった(86%、70%、P<0.001)。また、入院中に肺炎と診断された患者はHMPV陽性群に多かった(50%、22%)。ただし、入院期間に有意差はなかった。
5歳未満全体における年間のHMPV関連入院率は、入院1000件当たり1件だった。月齢で分けると、生後6カ月未満で3件、6~11カ月で2件と年齢が低いほど入院率が高かった。
著者らによると、この入院率は、インフルエンザウイルス関連の感染症や、1~3型のパラインフルエンザウイルス関連の感染症による入院率と同じで、RSウイルス(RSV)感染に関係する入院率(1000件当たり3件)より低いという。すなわち、HMPVが5歳未満の小児の入院に及ぼす影響は、他の一般的な呼吸器ウイルス感染とほぼ同様と考えられた。また、米国の人口データから、5歳未満の小児約2万人が毎年HMPV感染で入院していると推計された。
外来受診についても同様の分析を行った。HMPV陽性者は小児3257人中222人(7%)で、陽性者では陰性者より肺炎や喘息と診断された患者が多かった。HMPV感染関連の年間外来受診率は、5歳未満全体の外来受診1000件当たり55件だった。月齢別では、6カ月未満では58件、6~11カ月で102件、12~23カ月で75件、24~59カ月で39件だった。
救急部門を受診した小児では、3001人中224人(7%)がHMPVが陽性だった。HMPV感染関連の救急部門受診率は、5歳未満全体では1000件当たり13件だった。月齢別では、6カ月未満で16件、6~11カ月で29件、12~23カ月で17件、24~59カ月で9件だった。
外来受診1000件当たり55件、救急部門受診13件という数字は、RSV感染の外来受診80件、救急部門受診28件より少なかった。インフルエンザによる受診率と比べると、シーズンによっては同じだった。人口データから推定すると、HMPV感染は年間100万件の5歳未満の外来受診と26万3000件の救急部門受診に関係していると考えられた。
また、1歳を超えると受診率が大きく低下するRSVとは異なり、HMPVはインフルエンザウイルスと同様に、幅広い年齢の幼児に受診を必要とする症状をもたらし、小児の入院と外来受診に大きな負荷を与えていることが明らかになった。
なお、HMPV感染の82%が1~4月に発生していた。特に4月は急性呼吸器疾患患者の10%がHMPV陽性を示した。