【北京=川越一】米国のロック駐中国大使の乗った公用車が、北京の日本大使館前で行われた反日デモ参加者とみられる中国人約20人に包囲され、車両が軽微な損傷を受けていたことが19日、明らかになった。大使にけがはなかった。

 米ブルームバーグ通信などが報じたところでは、18日、米国国旗を立てた公用車が、日本大使館に近い米国大使館の敷地内に入ろうとしたところ、中国国旗を手にした集団に妨害行為を受けた。中国の警備当局者がデモ隊を排除した。米側は中国外務省に遺憾の意を伝え、米国の施設や人員保護に配慮するよう求めた。

 中国外務省の洪磊報道官は19日の定例記者会見で「中国政府は一貫して適切に外交官に関するウィーン条約を履行しており、中国に駐在する外国機関と人員の安全を保障している」と弁解。現在、関係部門が調査を進めているという。謝罪の言葉はなかった。

 洪報道官は「個別の案件だ」として反日デモとの関連を否定した。偶発的な事件との見方が強いが、中国では、アジア・太平洋地域における米国の活動活発化に対する反発もある。反日デモでは米国を批判するプラカードも見かけられた。

 北京では今年8月下旬、日本の丹羽宇一郎前駐中国大使の乗った公用車が襲撃され、日本国旗が奪われる事件が起きている。