厚生労働省は6月15日、2011年度の労災補償状況を公表し、うつ病などの精神疾患に対する労災の請求が前年比91件増の1272件(うち支給件数は325件)で、3年連続の過去最多となったことを明らかにした。また、請求件数を業種別で見ると、「医療業」が94件で最も多く、これに「社会保険・社会福祉・介護事業」が76件と続いており、医療・介護従事者の精神疾患による労災請求が多い現状も明らかになった。

 厚労省は、総務省統計局の「日本標準産業分類」により、労災請求件数を業種別に分類。「製造業」「建設業」などの大まかな分類で見ると、「医療、福祉」は173件で、「製造業」の216件、「卸・小売業」の215件に次いで3番目に多かった。これを細分化した中分類で見ると、病院や診療所などの「医療業」と、老人福祉・介護事業や児童福祉事業などの「社会保険・社会福祉・介護事業」が、全業種の中で1位と2位を独占した。労災と認定され、支給が決まった件数は「総合工事業」が22件で最も多く、「医療業」「社会保険・社会福祉・介護事業」ともに19件で2番目に多かった。

 全業種の請求件数を年齢別に見ると、30歳代が420件で最も多く、40歳代の365件、20歳代の247件と続いた。ただし、自殺件数は20歳代が55件で最も多かった。

 精神疾患を発症するきっかけとなった出来事としては「上司とのトラブル」が最も多く、「仕事内容・仕事量の変化」、「悲惨な事故や災害の体験、目撃」、「(重度の)病気やけが」、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、暴行」と続いた。「東日本大震災で本人が被災したり、震災後に仕事量が増えたりと、震災の影響を受けたケースも20件あった」(厚労省職業病認定対策室)という。

 また厚労省は、脳血管疾患や虚血性心疾患などによる労災の請求件数も公表した。これらの疾患による労災の請求件数は前年比96件増の898件(うち支給件数は310件)。「医療、福祉」は前年の27件から55件にほぼ倍増。このうち10件の支給が決まった。