厚生労働省は10月26日、社会保障審議会医療保険部会を開催し、2012年度に予定されている診療報酬改定に関する基本方針案を示した。前回の10年度改定に引き続き、救急、小児、外科などの急性期医療や医療従事者の負担軽減などを重点課題に挙げた。同部会はこの案をベースとして年内に基本方針をまとめ、中央社会保険医療協議会では、基本方針に基づき具体的な報酬配分を決定していく。
基本方針案では、重点的に取り組む課題として上記のほか、介護報酬との同時改定を踏まえた医療と介護の役割分担の明確化と連携体制の強化を盛り込んだ。具体的には、維持期リハビリテーションにおける医療と介護の円滑な連携、早期の在宅療養への移行や地域生活への復帰に向けた取り組みの評価、退院直後の医療ニーズの高い患者への訪問看護の充実―などを示した。また、在宅医療の充実も重点課題に掲げ、在宅医療を担う医療機関の役割分担や連携の評価、看取りに至るまでの医療の適切な評価を進める考えだ。
重点課題以外では、緩和ケアを含む癌医療、認知症の早期診断や精神科医療、手術などの医療技術、医薬品や医療材料におけるイノベーション、慢性期入院医療などを適切に評価する方針を明示。一方で、後発医薬品の使用促進や平均在院日数の短縮、社会的入院の是正については、効率化の余地があると考えられるとした。
70~74歳の負担引き上げには大勢が賛同
基本方針案ではさらに、次期改定にとどまらず、将来に向けた課題にも触れた。背景には、今年6月末に政府・与党がまとめた社会保障・税一体改革成案において、25年時点の医療の姿が示されたことがある。成案では病院・病床機能の分化・強化などが掲げられており、その実現のため、医療計画の策定や補助金などの予算措置といった施策とともに、診療報酬のあり方も検討していくとした。
当日の部会では、「全体のつくりとしてはよい」(健康保険組合連合会専務理事の白川修二氏)といった賛同の意見が大半を占めた一方で、重点課題に掲げられた医療従事者の負担軽減を図る具体的な方法などについて委員から質問が出た。これに対して厚労省は、チーム医療の推進や主治医・副主治医制の普及、在宅療養支援診療所の再編による看取り負担の軽減などを例に挙げた。
部会では基本方針案のほかに、70~74歳の患者の自己負担割合の見直しに関しても話し合われた。70~74歳の患者の自己負担については、08年4月から2割(現役並みの所得者は3割)にすることが法律で定められたが、国民の間で高齢者医療制度への批判が相次いだため、1割に凍結する措置が継続したまま現在に至っている。しかし、高齢者医療制度改革会議が10年12月に出した最終とりまとめで、「70歳に到達する人から段階的に本来の2割負担とする」と結論付けたことから見直しが求められている。
これに対して一部の医療側委員からは、「日本の患者の自己負担割合は諸外国と比べて既に高いため、1割を継続することを希望する」(日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏)との声が上がった。一方で、支払側や、「全国老人クラブ連合会」「NPO法人高齢社会をよくする女性の会」といった患者側の委員からは、「法律で2割と決めたならそうすべき」とする意見が大勢を占めた。
基本方針案では、重点的に取り組む課題として上記のほか、介護報酬との同時改定を踏まえた医療と介護の役割分担の明確化と連携体制の強化を盛り込んだ。具体的には、維持期リハビリテーションにおける医療と介護の円滑な連携、早期の在宅療養への移行や地域生活への復帰に向けた取り組みの評価、退院直後の医療ニーズの高い患者への訪問看護の充実―などを示した。また、在宅医療の充実も重点課題に掲げ、在宅医療を担う医療機関の役割分担や連携の評価、看取りに至るまでの医療の適切な評価を進める考えだ。
重点課題以外では、緩和ケアを含む癌医療、認知症の早期診断や精神科医療、手術などの医療技術、医薬品や医療材料におけるイノベーション、慢性期入院医療などを適切に評価する方針を明示。一方で、後発医薬品の使用促進や平均在院日数の短縮、社会的入院の是正については、効率化の余地があると考えられるとした。
70~74歳の負担引き上げには大勢が賛同
基本方針案ではさらに、次期改定にとどまらず、将来に向けた課題にも触れた。背景には、今年6月末に政府・与党がまとめた社会保障・税一体改革成案において、25年時点の医療の姿が示されたことがある。成案では病院・病床機能の分化・強化などが掲げられており、その実現のため、医療計画の策定や補助金などの予算措置といった施策とともに、診療報酬のあり方も検討していくとした。
当日の部会では、「全体のつくりとしてはよい」(健康保険組合連合会専務理事の白川修二氏)といった賛同の意見が大半を占めた一方で、重点課題に掲げられた医療従事者の負担軽減を図る具体的な方法などについて委員から質問が出た。これに対して厚労省は、チーム医療の推進や主治医・副主治医制の普及、在宅療養支援診療所の再編による看取り負担の軽減などを例に挙げた。
部会では基本方針案のほかに、70~74歳の患者の自己負担割合の見直しに関しても話し合われた。70~74歳の患者の自己負担については、08年4月から2割(現役並みの所得者は3割)にすることが法律で定められたが、国民の間で高齢者医療制度への批判が相次いだため、1割に凍結する措置が継続したまま現在に至っている。しかし、高齢者医療制度改革会議が10年12月に出した最終とりまとめで、「70歳に到達する人から段階的に本来の2割負担とする」と結論付けたことから見直しが求められている。
これに対して一部の医療側委員からは、「日本の患者の自己負担割合は諸外国と比べて既に高いため、1割を継続することを希望する」(日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏)との声が上がった。一方で、支払側や、「全国老人クラブ連合会」「NPO法人高齢社会をよくする女性の会」といった患者側の委員からは、「法律で2割と決めたならそうすべき」とする意見が大勢を占めた。