国民皆保険制度は堅持すべき?」 に対する、たくさんの投票とコメントありがとうございました。

 今回のテーマについては、日経メディカル オンライン(NMO)、日経ビジネスオンライン(NBO)ともに、「Yes(堅持すべき)」が多数を占めました。NMO(医師)は73%が、NBO(患者)は93%が「Yes」と回答しています。

 「誰もが、必要なときに必要な医療を受けられる」国民皆保険制度が、何物にも代えがたい安心感を国民に与えるとともに、世界最高のパフォーマンスを誇るといわれる日本の医療を支えてきたと、多くの医師・患者が考えている証だと考えられます。米国や欧州での在住経験がある複数の読者からは、日本の皆保険制度を賞賛する声が寄せられました。

医師の4人に1人が「No!」の理由
 ただ、気になるのは、皆保険制度への評価に、医師と患者の間で少々温度差があったことです。NBO(患者)の「No(堅持せずともよい)」はわずか7%だった一方で、NMO(医師)の「No」は27%ありました。この20%の差の理由を考えることが、日本の医療制度の今後を考える上での、大きなヒントになるような気がします。

 寄せられたコメントを見る限り、皆保険制度に対する医師の評価が患者に比べて低くなった原因は、大きく分けて2つあるようです。

 まず第一が、医療費への公費(税金)投入が国家財政の重荷になるに伴い医療費抑制の動きが強化され、医療機関の経営や医師個人の収入面に打撃を与えている現状への不満です。皆保険制度の下で誰もが必要な時に必要な医療を受けるには、被保険者である国民としても相応の負担が必要になります。しかし、新たな負担には反対し、「医師の給与は高過ぎる」といった批判を繰り返す国民が少なからずいることにも、嫌気が差しているのでしょう。

 第二が、「コンビニ受診」に代表されるような安易な受診の増加です。そうした傾向が強まるにつれ、対応に追われる医師が疲弊し、医療崩壊につながっていると考えている医師は、決して少数ではありません。また、権利意識が過剰に拡大した患者が増えた背景の一つに、「診てもらって当然」という感覚を喚起しやすい皆保険制度があると感じている医師もいるようです。医師患者関係の悪化が、皆保険制度の否定につながっている面があるのかもしれません。

 NMOには「一度、国民皆保険を廃止して、国民が医療のことを考える機会を作ってはどうか」という意見が寄せられました。このコメントは、医療を支える立場として感じている上記のような強い不満が、背景になっているのでしょう。

「増税?」「医師の給与引き下げ?」財源をどう確保するか
 国民皆保険制度は、日本のセーフティーネットを支える大きな柱です。にもかかわらず、その大切なシステムは、財源問題によりその将来を危ぶまれています。今回のテーマに関しては、NBOで、過去最高となる4000を超える投票をいただきました。これは、皆さんが、日本の医療の先々に大きな不安を抱かれていることの表れなのだと思います。

 財源確保の手法に関しては、今回、さまざまな意見をいただきました。「高齢者にも応分の負担をしてもらうべき」「ムダの排除を進めるという前提であれば、増税もやむなし」「安易な受診を防ぐため窓口負担を引き上げるべき」「給付範囲を限定すればよい」「医師の給与をもっと引き下げるべき」―。簡単に最適解が出る問題ではありませんが、また機会があれば、皆さんと議論してみたいと思います。

 このほかでは、混合診療に関しても、多くのコメントをいただきました。混合診療は、皆保険制度の存続を考える上で、“諸刃の剣”となり得るものです。前回の記事でも簡単に触れましたが、財源面では貢献が期待できるものの、安易な拡大には、皆保険制度の崩壊を促す危険性が伴います。混合診療については、また改めて、取り上げるつもりです。

 また、これまで触れてきた皆保険制度にまつわる問題に関しては、フリーアクセスの影響も大きいと考えられ、皆保険制度固有の欠点とは言い切れない面もあります。ですので、次回は、「フリーアクセス」の是非について皆さんにお尋ねしたいと思います。

 記事の掲載は4月上旬の予定です。ぜひ、ご意見をお寄せください。

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