「部下のできが悪くて…」の言い訳は、管理職失格?

 上司(中間管理職)になって初めて分かったことがあります。

 部下だったときは、大切なのは上司の指示に従って仕事をスムーズにこなすことで、そうできなければ、部下である自分がすべて悪いのだと考えていました。また、上司の意見に従わず喧嘩などすれば、不利益を被るのは部下だけだと思っていました。

 しかし、自らが上司になって、そのあたりの認識が少し変わってきました。部下が仕事を上手にこなせなかったり、上司のやり方に異論を差し挟んだりするのは、必ずしも当人だけが悪いのではなく、上司にも多少責任があるのだと感じるようになったのです。

 部下にはいろいろな人間がいます。仕事のできる人、できない人。要領が良い人、悪い人。正直な人、ごまかす人。価値観の同じ人、違う人。様々です。上司としては、そのような部下たちを組織と個人の幸せのためにうまく導かなくてはならないのです。つまり、適材適所に人材を配置して、いろいろな部下と上手に接して組織を発展させなくてはならないのです。

 できの良い部下は仕事ができるのは当たり前であり、仕事を上手にこなせない部下に対しては、きちんと指導し少しずつ向上させるのが指導者の腕の見せ所ではないでしょうか?従って、部下を上手く使いこなせずに、上役に「できの良い部下を送ってほしい」と懇願するばかりで、部下と喧嘩してしょっちゅうトラブルを起こすような上司は、自分の管理能力のなさを露呈しているだけです。自分よりさらに上の上司からの評価が下がることを、肝に命じておくべきでしょう。

 以前、こんな話がありました。ある大学関連病院の外科部長が、「教授、いつも良い人材を送っていただいてありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします」と大学教授に感謝を込めて挨拶しました。しかし、教授はその外科部長に対して思いもよらない言葉を返しました。

 「先生、何を言っているのだね。そんなに君のところばかり良い人材は送れないよ。どんな医師が派遣されても上手くやってもらわないと困るよ。それが君の役目でもあるのだから」。ややむっとした表情で、そう話したのです。その外科部長も教授の思いもよらない反応に驚いていましたが、「あっ、はい。分りました」と反省し、納得していました。

 いろいろな人材をうまく操って組織を活性化させるのが上司の責務。部下のできの悪さを嘆いてばかりいるような上司は、管理職失格といえるのでは?