姜 尚中
愛国の作法

目次は以下の通り。
第1章 なぜいま「愛国」なのか(1.なぜいま「愛国」なのか2.「愛する」とはどんなことか)
第2章 国家とは何か(1.国家と権力2.国家と国民3.国家と憲法4.国家と国家)
第3章 日本という「国格」(1.「自然」と「作為」2.「国体」の近代3.戦後の「この国のかたち」4.「不満足の愛国心」)
第4章 愛国の作法(1.何が問題か2.「愛郷」と「愛国」3.「国民の〈善性〉」と「愛国」4.「愛国」の努力)
むすびにかえて―「愛国」の彼方に
「愛する」とはどういうことか、「国家」とはなにか、ということから始め、 「愛国」をエトノス(自然‐民族‐血-感性)とデーモス(作為‐社会契約-理性)に峻別し、「美しい国」や「国家の品格」などのエトノスに流れる安易な言説を批判します。
また「国体」の概念など日本の「国格」について説明し、第4章で「愛国の作法」を論じます。
ここでは「愛国は愛郷の延長ではない」ということが強調されています。
「美しい国」では安易に愛郷の延長として愛国を語っていますが、著者は在日韓国人としての経験にも触れながら、論理的に「愛郷」と「愛国」とを峻別することを説いています。
そして敗戦の秋に出された石橋湛山の「東洋経済新報」社論「靖国神社廃止の儀」を引いて、「生きている者たち」が担うべき課題は、「もう一度やり直す」ことであり、また明治時代の「国民新聞」記者竹腰与三郎の「人民読本」などを引いて、国家が誤りを犯すならば、これを糺し「匡正」することこそ「愛国心」であると述べ、ただ美しい日本の伝統や国土、その文化や情緒をナルシシズム的に吹聴する「愛国」と区別しています。
現在の政治状況を鑑みると、必読の書と言えると思います。