- 辺見 庸
- 自分自身への審問
ぼくは資本主義社会にどっぷりつかって、辺見庸氏からは罵倒されても仕方のないような生活を送っています。
ふだんはそれを意識の彼方に追いやっているのですが、辺見庸氏の著作を読むとそのことに気付かされます。
本書は、著者が脳出血で倒れて右半身不随になり、さらに入院中に癌も発見されるという、肉体的にも精神的にも過酷な状況の中で執筆されたものです。
それだけに、著者の憤り、哀しみなどがストレートに伝わってきます。
死を常に意識せざるを得ない著者から自分が得たメッセージは、忙しさにまぎれて深く考えることをしていない自分はほんとうに「このままでいいのか?」ということです。
若い頃、少しは世界や社会のことを考えたことがあるひとにとっては、そう自問せざるを得ない本です。