バリ島にいる時、日本から持ちこんだDVDを

見ます。

 

私が選ぶものと言えば、SF・パニック・

ホラーにファンタジー。

片や、Bossが選ぶものは、どちらかというと

推薦図書にでも選ばれそうなもの。

 

人の好みはこんなに分かれるのかと思いますが、

異国の地で、自分以外の人が選んだジャンルを見て

「こういうのもあるのかぁ・・・」と、

新たな発見をする事が多いのですが

 

今回は、

『空海』を見ました。

 

日本の俳優さんの中で、私、北大路欣也さんは

好きなのです。

子連れ狼を見た影響なのでしょうが・・・。

 

かなり前の作品で(北大路さんが若いよ!)

そもそも興味のないジャンル。

Bossに

「みるぞ~!」と言われても、

気乗りしませんでしたが

見終わった感想として、見て良かったな・・・

と思えた作品でした。

 

我が家の宗派は、真言宗御室派・・・

(だったと思います)。

真言宗というと、智山派が多いらしいけれど、

同じ宗なのに派によって何が違うのか

私には違いが分かりませんが、自分の家が

「真言宗である」という事だけは知っています。

 

空海さん=弘法大師さんというイメージが

あまりなかったので

このDVDを見て

自分の家の宗派の開祖の話なんだな・・・と

興味深くみました。

(Bossの家も真言宗でした)

 

しかし、この映画の通りならば、

「空海」さんって人は凄い人です。

 

奈良から平安に掛けて生きていた人と考えると

多少の脚色はあるのかも知れませんが

飛行機もない時代に、船に乗って唐へ・・・って

そりゃもう、行きたくない人にして見たら、

島流しですよ。空海さんは、自分で立候補して

いましたが、無事に辿りつける保証もないし、

船も今の様に嵐に耐えられる構造でもないし・・・

でも、やはり高僧といのは、

そういう試練に打ち勝つんですね。

嵐を乗り越えて、唐に辿りついたのが

空海さんが乗ってた船と

最澄さんが乗ってた船。

出来過ぎの様です。

 

そして、中国語を短時間でベラベラになんて

かなりの秀才です。

実際、映画の中の北大路さんもベラベラです。

インドネシア語も片言の私にしてみたら、

羨ましい限りです。ホント。

 

さて、この作品を見てツクヅク感じたのは

『器』を作る事って、

何事にも大事なんだな・・・と思った事です。

 

器というと、入れ物・・・

入れ物というと、

その器の中でしか物事を図れない

とあまり良い意味で使われませんが

 

この空海さんが言う『器』というのは、

何事においても、

何か得ようとするものに対する

受け入れるだけの『器』を

自分の中に持つ事が出来なければ

得た所で、意味がない・・・という事だと

私は解釈しました。

(もう、時間が経ってるのでうろ覚えですが)

 

この『器』発言が出てくるのは、

北大路さん演じる『空海』さんに

加藤剛さん演じる『最澄」さんが

 

「あなたが短時間で得た密教の真髄を

 私も得たいのです」

と、手っ取り早く教えろと迫る所に出てきます。

 

その時、空海さんは言います。

 

「私は確かに3年(だったと思います。

    3ヵ月じゃなかったと思うけどぼけーあせる

 で密教の真髄を掴む事が出来ましたが、

 しかし、私は3年で掴んだ分けてでは

    ないのです。

 掴むまでの間、私はずっと修行をしてきました。

 あなたには、真髄を掴むだけの『器』が、

    まだ出来ていない」

 

・・・・ちょっと時間が経ちましたので、

この通りのセリフではありませんが

この様な事を言います。

 

勿論、最澄さんもその時には凄い人ですから

一般僧よりは短時間で真髄を手に入れる事が

出来るでしょうと

空海さんに言われるのですが、

最澄さんは自分の宗派の力を増す為に、

手っ取り早く知識だけを

手に入れようとしたと空海さんに教えを

乞うために頭を下げたのに、

あなたには、まだ器が出来ていない。

それでは本当の事が分からないよと 

空海さんに断られて・・・

最澄さんショック・・・

という場面を見ながら

 

これって、宗教だけじゃなく

全てにおいてそうだよな・・・と

考えさせられたのです。

 

会社で色々面接をしたり、

スタッフ達と接していると

「・・・・勿体ないな・・・」

と思う人が結構います。

でも、本人は気が付かない。

そしてチャンスを逃していくんですよ。

 

自分にはチャンスがないという人が

多くいます。

でも、チャンスって結構、転がってます。

Bossなんかは、

「人が捨てたゴミ溜めに手を突っ込めば、

     宝物が落ちている」

と言って、一文無しから

百憶万長者になった人なので

なるほどな・・・と思うのです、

 

私が今の会社に入る前の考え方のままならば

確かに、チャンスを掴むのは難しかったかな?

と思うのです。

ここ十数年にわたって、思考を変えてきたので

今は『勿体ないな・・・』と思う立場ですが

昔は、逆にそう思われてたんだろうなと

思います。

 

面接の時、良く話をします。

 

「チャンスって言うのはね、

    誰にでも来るもんなんです。

 でも、それを掴めるかどうかは、その人次第。 

 ここがチャンス!と思わなければ、

     チャンスは転がって

 次の人の所へと流れていくんです。

 だからこそ、どうしようかな・・・

     と悩んでいるくらいならば

 「取りあえずやってみよう!」と飛びつくのも、

 チャンスを拾う一つだと思うですよね」

 

と。

そうすると反応が2つあります。

 

「じゃぁ、取りあえずやってみます!」

という人と

 

「う・・・ん、でも、もう少し考えてからに

   してみます」

という人。

 

全ての事を飛びつけと言っている訳では

ありません。

考えなしに飛びついて、痛い目にあうなんて事は

ザラにあります。

 

でも、逆に、『今、ここがチャンスだ!』と

傍から見て思っていても、チャンスを逃がす人は

理由をつけて流していくんですよね。

 

本当に、勿体ないな・・・と思うのです。

 

沢山の面接を行ってきて、

ツクヅクそう思っていた私に、この作品の中で

「受け止めるだけの器が育っていない」という

空海さん・・・つまり、弘法大師さんの言葉は

 

「なるほど!」と雷ですよ。

 

分かってはいたんですけどね、

そうか・・・と納得が行ったというか何というか・・・。

 

全部がそうだとは言いませんが

例えば上司から注意を受けて

 

「パワハラだっ!」

と言った人がいるとします。

 

でも、それって本当にパワハラって言葉で

片付けていいのかな?と思うこともあります。

 

何故なら、その言葉の意味を本当に

理解出来た上で、

その言葉は、ただ権力を振りかざしただけの

相手をやり込めるという意味の「パワハラ」

という同意義なのか考えさせられる

事があったから。


もし

相手の言葉を理解出来ないけれど

自分には出来ない事を無理に

押し付けようとしているから、

これは

「私に嫌がらせをしているに違いない。

     パワハラだ!」

という人がいるかも知れない。

でも、その人がビジネススキルが上がってきて

上司に言われた言葉の意味を理解して

「あれ、あの時の事って、

   こういう事だったのかな」

と気が付いた時に、

同じ様にパワハラという言葉になるのかな?

と考えると

 

つまり何にせよ、受け入れるだけの度量を

自分の中で養っていないと、

正しく意味を受け止める事が出来ない

という事ではないかな・・・と思うのです。

 

まぁ、今の世の中一概に言えないけれど

 

例えば、

普通に生活していて自分の稼ぐ力で日々を

生活している私と

 

スタッフを雇用し、スタッフとスタッフの

家族の生活も給与という面で養っている

Bossとでは

 

多分、同じものを見ても

同じ目線、考えでいるとは限らないのです。

 

そこに背負っている重荷が違いますからね。

 

今の会社で働き始めた時、

私は普通の社員だったので、目線は社員でしたが

今、管理職になると、目線が管理職になり、

社員の目線では物事を考えません。

 

変わったのは、見方なんですよね。

 

スタッフには、常に

「もし、自分がBossだったら、どう考える?」

という目線で物事を考えて欲しいと伝えます。

 

そうすれば

もし自分だったら報告が欲しいな

とか、

もし自分だったら、相談するな、

見なかった振りをせずに

とか、考えられると思うんですよ。

 

ただ、自分の脳みそって

誕生してから今の年齢になるまでの間に

脳の電気信号が通る道というのが

出来上がってしまい

もの事を考えると、必ず結果は同じ所に

辿りつく様になっているらしいんです。

 

ポジティブな人は、常にポジティブに。

ネガティブな人は、常にネガティブに。

いい加減な人は、いい加減に・・・。

 

そして、この思考回路を変更する事は

本当に難しい。

だって、長い間を掛けて、築き上げた

思考の道ですから。

 

もの凄くショックな事。

それこそ、生まれ変わる位な事

ギャフンと言わされる位、

辛い事を体験した時が

この今まで出来た思考回路を走る電気信号を

遮断する事が出来るそうです。

 

まぁ、そういう事ってなかなか起きないし

起きない様にしたいと思って気を付けているから

体験する人は少ないだろうけれど

 

「あの人、まるで人が違う様だよ」っていうのは

その人の考える思考回路を走っていた電気信号が

遮断され、

新たな思考回路の道が出来て、

物事をみる様になったからかも知れませんね。

 

ギャフンと言わされる様な出来事を得なくても

思考回路を遮断するというか

新たな思考の道を作る事は出来るんです・・・

私は、そうやって道を作りましたが

結構、ハードです。

 

まだまだ、途中ではありますけど

10年前の私と、今の私は、

本当に考え方が別人で、

多少なりとBossの言っている事が

分かる様になってきました。

 

そうなってくると、注意指摘をされる事も

少なくなってくるんですよ。

 

我が家も真言宗という宗派に属してはいますが

熱心ではないので、宗教映画?には

あまり興味がありませんでしたが、

この「空海」という作品は、

かなり考えさせられる事がありました。

 

普段見ていないジャンルに手を出すのも

この秋の夜長に良いかも知れません!

 

俳優さんが豪華で、見入ってしまうので

時間の長さを感じません。

おススメです!

 

しかし空海さん、つまり弘法大師さんと

高尾山が繋がっている事すら知りませんでした。

 

映画の最期に出てくる、沢山のお坊さんの読経は

壮観です。