GWの最終日、久しぶりに書棚から引っ張り出してきてイッキ読みした。
土田世紀「俺節」
肝硬変のため早逝してしまった天才漫画家、土田世紀の作品。
昔持っていたコミックスを20数年前引っ越しの際、他の大量のコミックスとともに売ってしまい、その後絶版となってとても後悔していたのだが、定本として再発されたときに買い直したのであった。
津軽の高校生・海鹿耕治が、単身上京してその天性の声を活かし演歌歌手を目指す物語。
当時のレコード会社や事務所のパワーバランスなどはしっかり取材したのであろう。結構あるある的な内容が描かれている。
今じゃこんなレコード会社はないと思うけどね(^^;
この見返しの見開きに描かれた絵もインパクトあったなぁ。
どこの横丁をモデルにしたのだろうか。
舞台が新宿だったので、やはり昔のしょんべん横丁をデフォルメ化したのかな。
そしてこの画。
一升瓶が作者の故郷・秋田の酒「新政」なのだ。
そうそう、自分にとっても新政ってこういうイメージだったよなぁ。
大衆酒場で飲む旨い酒、というね。
昭和の時代に仙台に転勤していた時期があったんだけど、国分町の居酒屋でも新政を置いている店は多くて、普通に安く飲めたものだ。
懐かしい。
日本の漫画史に残る名作。
今度は売らずに書棚に残しておこうと思う。