・最近、マイナー辞書が気になります。出版というと、比較的少数の大出版社が請け負うイメージがありますね。
  国語辞典・漢和辞典をはじめとする辞典類が主力の三省堂
  教育補助からマンガまで手広く展開する小学館
  『広辞苑』を擁し、学術出版を主力とする岩波書店
  雑誌類を主力とする集英社・講談社。それほど辞典に注力はしてないかも。
  漢和辞典を中心に国語辞典などにも注力する大修館書店・・・

・実は、現在のような出版不況になるまでは、多くの中小出版社が国語辞典の類を出していました。誠文堂新光社もその一つ。私のように昔々の「科学(好き)少年」にはよく知られた存在でした。今でもかな。『初歩のラジオ』なんか、面白そうな特集があったりすると、ぽつぽつ購入してました。



・そんな科学出版で有名な誠文堂新光社も国語辞典を出していました。その名も『机上辞典』。手元にある、一番新しいものには「和英併用」と冠しています。

・さすがに現在は出していないようですが、巻末に「机上辞典の歴史」があるのに気づきました。最初の記事は昭和7(1932)年。いまでも出していれば、90年を超える歴史をもつことになります。



・机上辞典の歴史
 昭和7年9月18日 初版
 語数 約3万4千。ペン字 井上千圃先生。
 「和英併用・ペン字入り」という本辞典の特色は、文学博士高野辰之先生と、辞典づくりの鬼才・加島謙次氏の協力によって創案され、実用国語辞典としての第一歩を印す。

・力強い第一歩ですね。ただ、ちょっと気になるのは、和英併用はよいのですが、「ペン字入り」も「創案」とされていることです。もちろん、本当にペン字書体をも表示したのは最初なのかもしれませんが、江戸時代でしたらそれが筆書きになりますね。行書で書くのが普通だったので、楷書と行書を並記したものが、慶長16(1611)年には開発されており、その末裔は昭和初期まで刊行されていました。