・言語学には「語用論」と呼ぶ分野がある。

・言葉を使うにあたって、意味内容を伝達するのか本来の機能である。が、その意味を超えるような、あるいは意味に反するような働きをすることがある。とたえば、「寒いな」とつぶやいたら、他の人が《窓を閉める》という行為をすることがある。窓を閉めろと言ってないのに閉めるという行為が誘発される。こういう言葉の働きというか、実用面の諸相を研究しようというのが語用論になる。ある種の皮肉なんかも、語用論の対象かなと思う。

・で、話が飛ぶ。

・マスクをすることに「科学的な根拠がない」とする専門家の意見が面白いなあと思う。たしかに、あの目の粗さや、横方向のすきまなど、どう考えてもほ、ちり・ほこりは防げる(かもしれない)が、菌・ウィルスには無効であろう(もちろん、医療用は除いておく)。

・一方、「顔に手を触れないで済む」など付随効果を挙げる人もいる。たしかにこれもそうだ。理がある。ウィルスは防げなくても、別の効能があるわけだ。これは、言語学でいえば語用論にあたる考え方ですね。それでいいんじゃないかと思う。

・語用論的思考からするとマスクには新たな目的が発生することになる。「顔に手指を直接触れさせないこと」。となれば、マスクはマスクの形でなくてもよさそうだ。西部劇に出てくる逆三角形マスク(バンダナみたいなので鼻から下を覆うもの。砂塵を防ぐためだろうね)でもよさそうだし、修道女の(なんていうの、頭からかぶるやつ。マスク付き頭巾?)も目的にかなう。目出し帽やフルフェイスのヘルメットなら完璧だ??