岐阜市長良の鯨書房が閉店するらしい。柳ヶ瀬方面でユニークな品揃えをしている徒然舎さんのブログで知った。2代目店主が亡くなったためのよう。ご冥福を祈るばかりである。

・先代さんとはそこそこ面識があり、いろいろ本を買わせてもらった。ユニークなところでは、昭和はじめごろのだろうか、雑誌に連載された料理の記事だけを抜き取って軽く製本したものとか。ちょっとインテリ風味な容貌。とっつきにくさがあるけれど、なに、それはほんの外見だけで、お話を持ちかければさまざまに答えてくれた。

・私が物色していると、ふらりと入ってきたお客さんがあった。旅行中か何かだろうか。急いでる風で、出し抜けに「明治のころの辞書とかありますか?」と聞いてきた。「う~ん、今はないかなあ」との答えに、あっさり帰ってしまった。先代さん、「ふらりと入ってきて、そうそう簡単に話せないよね~」と。お、気骨あり。急いでるのが分からないじゃないが、私だったら、形式的にでも店内を一周する。自分の目で見てない場合、分からないときに声はかけたい。せめてその振りたけはしたいものだ。

・先代さんが活躍してたころは、バス通りからちょっと入ったところに店舗があった。隣がペットショップだったためか、その手の臭いがちょっと漂っていたことを思い出す。ただ、うまいぐあいに駐車できた。現行店舗は、まさにバス通りに面しているので、車ではちょっと行きにくく、自然と足が遠のいていた。それでも3・4度は行ったろうか。

・古本屋さんのあいだでは、相応の価値はあるが、古くてくすぶったような色合いの本を「黒っぽい本」と呼ぶ。鯨書房は、その手の本が比較的多い、古本屋らしい古本屋だ。それが閉店する。もう、そんな古本屋は岐阜市内にばなくなってしまう。さびしいことだ。

・私が岐阜にきた30年から20年前くらいはどうだったろう。柳ヶ瀬に2軒、市役所南に1軒、金神社西側に1軒、市民病院までのあいだに2~3軒、付属小中学校方面に1軒、長良に2軒(鯨書房含め)といったところだろう。それでも2桁はあったわけだ。

・最後の最後、鯨書房に顔を出してみたい。