・ひさしぶりに長編ミステリーを読みました。川添愛『聖者のかけら』(新潮社)、ちょっと立ち読みもできます。清潔な文体。

・中心的な「謎」については、語るなかれ。主人公のアレも語らない方がいいし、その相棒役が誰かも・・

・印象に残ったのは、主人公たちの信仰観とそれを叙述していく筆力。正と悪しかないと考えるのが普通のことだろうけれど、その間には、無限の色あいが存することを知らせてくれる。それを、二項対立の枝分かれでどとん説明していくような、それだけに分かりやすい印象を持ちました。

・修行者が主人公なので当たり前といえば当たり前ですが、信仰の有りようにも学ぶべき点がありました。神社に初詣して、お盆に先祖を迎え送り、聖夜の電飾を楽しんでは、寺院の除夜の鐘を聞く・・・ イベントのように扱う信仰の姿を多く見なれているので、人として学べる部分がある、ということです。

・でも、それはそれとして、先日の講演会でご一緒し、打ち上げではお隣に座らせてもらった作家さんです。((いや、そんな恐れ多い・・と言ったのですが、先着してた先輩が、いや、おまさんを真ん中近くに座らせるためではない。少しでも主賓を真ん中にするためだ、と。あ、なるほど、いわば埋め草ね、クッションね))。是非、何か、賞取ってほしいなあ。((いまさっき、信仰がどうのと言ってたのに、なんだ、この即物的な発想は!)) 

・やっぱり江戸川乱歩賞かな。そして2作目で推理作家協会賞ですね。主人公コンビ、なかなかに魅力的なので、2作目もこの組み合わせで。


追記)乱歩賞は、未公開作品でしたね。