・風呂につかりながら、土曜の研究会を反芻。歴史学・思想史学を中心に、文学・民俗学などの研究者が「書物」をキーワードに集まる会。書物に対するアプローチ・スタンスが異なるのがやっぱり面白く、また恐い。
・文政期の東本願寺教団の動きを、まずは東本願寺内部の文書から整理するのが趣旨。ならば範囲外の西本願寺のことを聞くのは失礼かと思い、だんまり。でも、関心点はあらかじめMLで流してあったので司会の方が指名してくれた。「外因を追究していただけたらと思う。そのきっかけに」と事例紹介にとどめる。
・購書記録から価格を中心に展開した2題め。「大全早引節用」の価格が、通常バージョンなら倍以上も高い。薄紙バージョンとしても(おそらく)1.5倍にもなる。そんなことなどを中心にたずねると、回答のなかに「価格の出ている他の文書などとも比較したが、まちまちだった」という部分があった。んん、どうでしょうか。
・往来物などは特にそうだけれど、節用集もバリエーションが多い。同じ書名でも別の本であることはありうるし、覚え書き中の書名は略称も多いから、二重に同定作業は困難になる。異なる文書間での比較となれば、さらに困難は倍だ。「比較」といっても奥が深いというか、つまりは当該書籍の刊行状況のさまざまな側面を把握しなければ先に進めなくなっている。
・こうした点は、本来書誌学の分野なのだろうが、諸学問分野が求めている本にまつわる情報を、現在の書誌学がすべてカバーしている訳ではない。むしろ、求めている分野の研究者が、自分たちの観点からして必要な書誌情報(というより「当該書籍をめぐる情報」)を収集・検討しているところ。こうなると、逆に書誌学者の方が教えを乞うような状況になっている部分が少なくない。
・訓点語学が、仏教史学にも情報・視点を提供するのに似ています。私の守備範囲でも、そういうことができるよう準備中。実は、その必要があると気づかせてくれたのは、院生のおりの築島裕先生の集中講義でした。訓点の系譜を考えるのに師弟関係を考えなければいけないし、その逆もまたある……そうしたお話をうかがうなかで、自分の関心事に引き当ててみれば、という訳です。