・「未然形…… 「形」とは言うけれど、連用形・終止形・連体形とは違って、意味による名前だよね。「未だ然(しか)らず」。ね、〈まだ実現してませんよ〉形なのさ。だから、まだ実現していない動作・行為をあらわす時の形です。未来や意志や打消の助動詞が付くのもうなずけるでしょ?
・「今、「だから」と言ったけれど、本当は逆だけれどね。〈まだ実現してませんよ〉を現わす助動詞が付く形だったので「未然形」と呼んだ、というのが順序です。そのあたり、面倒なので「未然形だから未来を現わすのに適している」なんて言うわけですが、ちゃんと断りがないといけませんね。
・「さて、奈良時代の完了の助動詞リ。このテキストだと単に「四段動詞は命令形に接続」となってます。が、上記ことを踏まえれば、変だというのが分かりますか? 実は〈まだ実現してない〉から命令するんでしょ? 言ってみれば、命令形だって未然的要素があるものなのさ。なのに、奈良時代では完了(!)の助動詞が付くっていうんだから。どこかに辻褄合わせがありそうだ、と疑えるよね。
・「平安時代のカガハバマ行の四段動詞なら、已然形・命令形はケゲヘベメになる。これなら完了リは、已然形(すでにそうなっている形)と相性が抜群なので問題なし。「已然形に接続する」でよい。ところが、奈良時代のケゲヘベメという音には二種類の区別があった(上代特殊仮名遣のためだね)。調べてみると、已然形は乙類、命令形は甲類になっていたわけ。
・「で、こんどは完了リを調べてみると、甲類のケゲヘベメに付いていた。乙類のケゲヘベメには付いていない。そこで、「完了リは命令形接続」となるわけ。どう、分かる? 難しい? 実は三段論法のマジックがあるんだけど、分かるかな。最近は「ゲーム脳」とか騒がれていて、反射的な回答しかできないんじゃないかと恐れております。なので、私からは正解は言いません。このくらいは考えましょう。
・「已然形に2種類あると考えるといい。普通の已然形は乙類なんだけれど、完了リだけが接続する甲類の已然形というわけ。だから、已然形の欄にはカ行四段なら「ケ甲/ケ乙」とあればいいだけのはなし。現代のカ行五段活用だって未然形のところには「カ/コ」、連用形のところには「キ/イ」とあるじゃないですか。2形式載せて何が悪い、ってとこですね。
・という話をすると、みんなガツンと殴られたように思うらしい。「今までの常識って何? 本以外に何を信じればいいの?」。でも、これをやらないと大学の講義ってはじまらないようなところがありますからね。一方では、「未然形/已然形」なんかの意味も初めて(!)説明されて納得もしている風。
・「今、「だから」と言ったけれど、本当は逆だけれどね。〈まだ実現してませんよ〉を現わす助動詞が付く形だったので「未然形」と呼んだ、というのが順序です。そのあたり、面倒なので「未然形だから未来を現わすのに適している」なんて言うわけですが、ちゃんと断りがないといけませんね。
・「さて、奈良時代の完了の助動詞リ。このテキストだと単に「四段動詞は命令形に接続」となってます。が、上記ことを踏まえれば、変だというのが分かりますか? 実は〈まだ実現してない〉から命令するんでしょ? 言ってみれば、命令形だって未然的要素があるものなのさ。なのに、奈良時代では完了(!)の助動詞が付くっていうんだから。どこかに辻褄合わせがありそうだ、と疑えるよね。
・「平安時代のカガハバマ行の四段動詞なら、已然形・命令形はケゲヘベメになる。これなら完了リは、已然形(すでにそうなっている形)と相性が抜群なので問題なし。「已然形に接続する」でよい。ところが、奈良時代のケゲヘベメという音には二種類の区別があった(上代特殊仮名遣のためだね)。調べてみると、已然形は乙類、命令形は甲類になっていたわけ。
・「で、こんどは完了リを調べてみると、甲類のケゲヘベメに付いていた。乙類のケゲヘベメには付いていない。そこで、「完了リは命令形接続」となるわけ。どう、分かる? 難しい? 実は三段論法のマジックがあるんだけど、分かるかな。最近は「ゲーム脳」とか騒がれていて、反射的な回答しかできないんじゃないかと恐れております。なので、私からは正解は言いません。このくらいは考えましょう。
・「已然形に2種類あると考えるといい。普通の已然形は乙類なんだけれど、完了リだけが接続する甲類の已然形というわけ。だから、已然形の欄にはカ行四段なら「ケ甲/ケ乙」とあればいいだけのはなし。現代のカ行五段活用だって未然形のところには「カ/コ」、連用形のところには「キ/イ」とあるじゃないですか。2形式載せて何が悪い、ってとこですね。
・という話をすると、みんなガツンと殴られたように思うらしい。「今までの常識って何? 本以外に何を信じればいいの?」。でも、これをやらないと大学の講義ってはじまらないようなところがありますからね。一方では、「未然形/已然形」なんかの意味も初めて(!)説明されて納得もしている風。