今回はドイツ・ミュンヘンに住んでいる私が、ドイツの移民問題について一般的に言われていることと、実際に私が見聞きしたことを元に書きたいと思います。

 

【一般的に言われていること】

ドイツは、国際的な移民の受け入れ国としての役割を歴史的に担ってきましたが、21世紀に入りその課題はより複雑なものとなっています。経済的、社会的、政治的な側面から見ると、移民の受け入れはドイツにとって多くの機会を提供する一方で、様々な問題も引き起こしていることも事実です。

 

まずはドイツがどのような移民政策をとってきたのか振り返ってみましょう。

戦後の「ゲストワーカー」政策

1955年から1973年までの間、ドイツは「ゲストワーカー(Gastarbeiter)」と呼ばれる外国人労働者を積極的に募集しました。この政策の目的は、戦後の経済ブーム期における労働力不足を補うことにありました。主にイタリア、ユーゴスラビア、トルコからの労働者が大量に流入し、工業、建設業、サービス業で重要な役割を果たしました。当初、これらの労働者は一時的な滞在が前提でしたが、多くの人々が家族を呼び寄せ、恒久的な定住に至るケースが増えました。

1970年代〜1980年代

1973年の石油危機を契機に、ドイツ政府は新たなゲストワーカーの募集を停止しました。この時期から、ドイツは移民の統合政策と制限政策の間で揺れ動くことになります。一方で、家族再統合の許可を進めることで、すでにドイツにいる移民の社会統合を支援し、他方で新たな移民の流入を抑制しました。

再統一後

1990年のドイツ再統一後、国は新たな段階に入ります。東西ドイツの統合に伴い、労働市場や社会保障システムに大きな圧力がかかりました。同時に、EUの拡大とシェンゲン協定の実施により、国境の自由化が進み、EU内部からの移民が増加しました。この時期、ドイツはEU市民に対しては開放的な姿勢を見せつつも、非EU国からの移民に対しては厳格な規制を設けるという二重のアプローチをとりました。

2000年代

2005年に施行された新移民法は、ドイツの移民政策における大きな転換点です。この法律は、統合政策を強化し、高度な専門知識を持つ移民の積極的な招致を目指しました。また、言語教育や職業訓練の充実を図り、移民がドイツ社会に溶け込むためのサポートを強化しました。

現在

2015年の難民危機は、ドイツの移民政策に新たな試練をもたらしました。アンゲラ・メルケル首相は「Wir schaffen das」(私たちはそれを成し遂げることができる)と宣言し、数十万人の難民を受け入れましたが、この決定は国内外で大きな議論を引き起こしました。この経験を踏まえ、ドイツ政府はEU全体の責任分担と連携を強化する方向で政策を推進しています。

 

以上が戦後から現代までのドイツの移民政策の簡単なまとめになります。次に、経済的、社会的、経済的、国際的な視点から見てみましょう。

経済的な視点

ドイツ経済において移民は不可欠な存在です。特に、技術革新が進む産業においては、専門技術を持つ移民労働者が重要な役割を果たしています。また、ドイツの労働市場では少子高齢化が進む中で、若い移民労働者は必要不可欠な存在となっています。しかし、これらのポジティブな側面とは裏腹に、多くの移民は低賃金労働に従事し、経済的な不平等を強いられています。言語の障壁や職業訓練へのアクセス制限が、これらの問題をさらに悪化させていると言われています。

社会的な視点

ドイツ社会の多文化化は進んでいるものの、移民と既存の住民との間には依然として隔たりが存在します。例えば、移民の子どもたちが教育システムで同等の成果を挙げることは難しく、これが将来的な職業選択において不利になることがあります。また、住宅市場における分離や社会的孤立は、移民コミュニティ内での結束を強める一方で、ドイツ社会全体との融合を阻害する要因となっています。

政治的な視点

ドイツ政府は、移民政策を積極的に調整し、より公平で効果的な統合策を求めています。言語教育の充実や職業訓練プログラムへの投資が増加し、移民がドイツ社会に溶け込む手助けをしています。しかし、国内外の政治的な圧力も存在し、難民を受け入れることに対する抵抗や、右派政党の台頭が新たな挑戦をもたらしています。

国際的な視点

ドイツはEU内での移民問題において中心的な役割を担っています。EUの国境を越えた移民の流れを管理することは、単一国家の努力だけでは不十分であり、国際的な協力が必要です。ドイツは他のEU国家と協力して、より公正で持続可能な移民政策を推進し、人道的なアプローチを促進しています。

 

以上が、一般的にドイツの移民問題について言われていることです。ここからは、このような問題について私が実際に見聞きしたことを元に述べたいと思います。

 

【私が見聞きしたこと】

私は、現在ミュンヘンにある語学学校に通っています。ミュンヘンは、ドイツの中でも屈指の治安の良さを誇っています。首都のベルリンなどではスリなどの軽犯罪が多いですが、ミュンヘンでは基本的にそういった軽犯罪も少ない印象です。また、社会的なコミュニティも温和で閉鎖的な雰囲気や排他的な雰囲気はあまり感じません。移民も非常に多く住んでいますが、ドイツの社会に溶け込んでいる印象があります。実際、飲食店や交通機関では多くの移民が働いていて、ドイツ語で接客しています。日本でもコンビニなどで外国人が多く働いている状況とよく似ています。私が毎日学校に行くために乗っているバスの運転手もおそらく移民ですが、乗客のドイツ人と世間話したりしていて楽しそうに働いています。しかし、確かに移民に関する問題も見ました。

1月半ばのことでしたが、デモが行われていました。AfDに対する抗議デモでした。AfDというのは、「ドイツのための選択肢」という右派政党のことです。ここ10年くらいで結成され、破竹の勢いで支持率を伸ばしています。この政党は、要するに「移民排除派」の政党で、政府はドイツの文化やドイツ人を優先的に守るべきだという考え方です。このような政党ができた背景には移民による異文化の急激な流入や移民に有利な政策が増えたことなどが挙げられています。ドイツの移民は、中東系(イスラム圏)が多いですが、確かに、街には中東系の飲食店や中東系の店員しか働いていない店がたくさんあります。これだけならドイツ人も特に何も思わないでしょうが、中東系の移民が教会の鐘の音がうるさいと苦情を言ったり、夜中に騒いだりしたことなどから、ドイツ人の反感を買いました。教会やそこにある鐘の音というのは、日本人が考える以上にドイツ人にとって大切なものです。教会の鐘の音は、ドイツ人にとって生活の中に当たり前にある音で、自分たちの街の象徴とも言える音なのです。それを他所から来た移民に「うるさい」と言われたら、当然良い気はしないでしょう。良い気がしないだけではすまず、「自分たちの文化や宗教を否定している」と受け止めても仕方ないでしょう。また、騒音問題に関しては、私が以前泊まったミュンヘン中心部のホテルで体験したことですが、ホテルの近くのクラブの外で移民が深夜まで騒いでいてうるさかった事がありました。ドイツ人は基本的に夜早く寝る人が多いため、深夜まで騒がれたら迷惑でしょう。こういったことの積み重ねでドイツ人の中に移民に否定的な感情を持つ人が生まれているのです。

私が見聞きしたことから考えると、問題の原因は移民の側にあるというしかないでしょう。移民側がドイツの文化や習慣に合わせようとしていないことがすべての原因です。ドイツに来たならばドイツの文化や習慣を尊重するべきです。そうしなければ、結局自分がドイツ社会から孤立し、居場所がなくなるのです。

日本も現在少子高齢化対策として外国人労働者を積極的に受け入れようとしています。まさにドイツと同じです。しかし、このままではドイツの二の舞いになるでしょう。国民と外国人の間で対立が起き、社会がギスギスしてくるかもしれません。また、国民間でも移民賛成派と移民排除派で対立が起きることも考えられます。実際にはドイツでは、AfD支持者と反AfDで対立が起きています。私は、日本でこのような対立が起きてほしくありません。そのためには、移民について受け入れ方や移民に対する教育制度などを再考する必要があるでしょう。

この記事が移民問題について考えるきっかけになれば幸いです。

 

今日(2024/05/04)は土曜日だったので、一日中家でのんびりしてた。基本的に休日は外に出ない超インドア派だからこれが通常運転。
今日やったことといえば、
・起きた
・YouTube見た
・寝た
・飯食った
・音楽聴いた
ってくらい。
本当にこんな生活でいいのだろうかと、自問しつつ、「こうして23年間生きてきたんだし」と自答する。そんな毎日。でも、大体の人間の休日なんてこんなもんでしょ。しかも家に1人だし、家族が同居してないとどっか行こうって気にもならんしね。

今日見たYouTube動画の中で1番面白かったのは、これ。

 

 

ノブロックTVの「みりちゃむシリーズ」最新回。今回もみりちゃむの罵倒が素晴らしかった。そして、罵倒力が格段に向上していることにびっくり。意外と人をその場で罵倒するのって難しいからね。それにしても、相方が罵倒されていじられてるのが嬉しくて泣いちゃった高野さんはマジで謎すぎて面白かった。「きしたかの」のネタとか芸風を全然知らないけど、この動画である程度普段どんなコンビかわかっていい企画だった。
罵倒カフェの実店舗はこの秋に開店予定とのことだから、年末に日本に帰った時にでも行きたい。

今日のお昼ご飯は、ドイツ・バイエルン州名物の「ヴァイス・ヴルスト」でした。(写真撮るの忘れたから、chatGPTさんにイメージ画像を生成してもらいました。)

「ヴァイス・ブルストの写真を生成して」って言っただけでこれ出てきてびっくりした。だって、ビールとパンの種類以外マジでこれそのまんまだったから。ちゃんとハニーマスタードが添えられてるのも書かれててすげぇ。ちなみにこのソーセージは外側の皮を剥いてから食べます。皮はすごく硬いので食べられない。中には香辛料?的なものが入っていて美味しい。そして、ハニーマスタードとめちゃくちゃ合う。大抵の店ではハニーマスタードがついて出てくるし、絶対必要。

昼からは音楽鑑賞のお時間。ドヴォルザークの「チェロ協奏曲」を聴いたぷぅ。この曲めっちゃ好きなんよなぁ。マジで。1楽章の素朴で田舎くさい旋律が心に刺さる。なんかね、心に旋律が染み渡るんだよ。ちなみに、カラヤン指揮ベルリンフィル&ロストローヴィチ演です。ドヴォルザークは、結構好きな曲多いけど、それに共通してるのが、「素朴さ」と「田舎くささ」。単純にメロディーが気に入ってる。あと、「チェロ協奏曲」てのもかなりミソ。チェロは「もっとも人の声(男声)に近い楽器」と言われてるように、歌心が強い楽器。その楽器で素朴な旋律を演奏されると、テノール歌手が朗々と歌い上げてるみたいで、より心にしみる。やっぱりこれはチェロだけができる技だと思う。

以上、今日の日記でした。