ADHDはひらめきと火事場の馬鹿力で勝負する | ぽてなまの~と 【ときどきADHD話】

ぽてなまの~と 【ときどきADHD話】

「なまいき」で「なまけもの」な「ぽてたろう」のノートです。
日常のあれこれや、その日考えたこと、そしてADHDや発達障害についての「あるある」などを書いてこうと思います。

 

ADHDはひらめきと火事場の馬鹿力で勝負する

 

今まで「金の管理ができない」とか「没頭すると返事しない」とか「ぶっちゃけ汚部屋の住人だ」とか……「ADHDの~」というよりは「私の」ダメなところのことばっかりを書いてきた。果たしてADHDに「良いところ」は1つもないのだろうか?

 

そんなことはない。

 

米国人で何回かあったことのあるトム・ハートマン(起業家、作家、ADHD当事者)は、よく使われる「一般の人が農耕民族だとすれば、ADHDは狩猟民族だ」という比喩を最初に使った人だ。

 

彼曰く「普通の人には計画性があって、『今少しだけ小麦を残しておいて土に撒けば、来年もっと収穫できるな~』とスムーズに考えられて、その通りに行動もできる。でも、ADHDほど鼻も利かないし直観力もない。狩猟の現場ではADHDの足元にも及ばないと思うよ」だそうだ。

 

「狩猟が得意なんて、今の世の中で何のタシになるんだ?」と思うかもしれない。だが、彼を筆頭に起業家として、成功しているADHD族はけっこう多いのだ。他の人からすると「ちょっと感覚がズレている」というか、「目をつけるポイントが違う」というのが功を奏しているらしい。それこそが「鼻が利く」ということだろう。

 

またADHDには、いわゆる「人たらし」が多い。ハートマン氏も「ミスター・チャーミング」的な人物だが、ADHDの起業家には先輩に可愛がられたり、旅先で会った人に気に入られたりして、けっこう人脈が広く、そのツテから資金繰りもうまくいっているケースが多い気がする。

 

ADHD族は、この世で最強のパーティピーポーだ。

 

初対面でも気楽に話ができて、ノリがいい。ビンゴでもカウントダウンでもハッピーバースディを歌うだけでも「ちょっとしたこと」をトコトン楽しむ性質だから、呼べば必ず盛り上がる。まぁADHD当事者のみが参加するイベントがどれだけワイルドになるかは、皆さんの想像にお任せしよう。

 

なんというか……ダメなところはあるけれど「憎めないヤツ」が多いのだ。この「人たらし」力に、元来の嗅覚をプラスして、顧客のニーズやエリアのトレンドをいち早くキャッチし、投資や不動産業、サービス業で成功している人も多い。

 

また。ADHDには「火事場の馬鹿力(特別な集中力と瞬発力)」があって「瞬間的な判断」が求められる現場にも強い。

 

日本の自衛隊についてはデータがないのでよくわからないが、海外の軍人、消防士、警官などにはADHDが多い。ある会議で精神科医が言っていたのだが、緊急オペが必要になるような整形外科や救急救命の医師、専門看護師はADHD率が高いそうだ。

 

なんかそれ、わかる気がする。あくまで私見だが、マスコミ業界も同じでADHD率が高いと思うのだ。

 

控えめに言っても、修羅場であればあるほどアドレナリンがみなぎり、大事件ほど興奮するタイプが多い。つまり「火事場の馬鹿力」タイプなのは間違いないだろう。そういうときの彼らは、文字どおり「寝食を忘れて」ひたすら仕事に没頭してしまう。

 

さて、ADHDが最も評価されてる特性は「ひらめき力」だ。ふとした瞬間に「あれ? アレとコレと1つにしたら売れるんじゃない?」とか「このオモチャ、もっと小さくしたら大人も買うよな」とか、常識を覆すようなアイデアが“降りて”くる。

 

これぞまさしく、いつもいつも叱られてきた「ピントがズレている」→「目のつけどころが他人と違う」ことの賜物だ。発明家も多いし、既存の商品やシステムに「プラスワン」していく商品開発ジャンルやコンサル業で活躍している人も多い。

 

ただ、ほとんどのADHDは短期記憶が弱くて、思いついたことをすぐ忘れてしまうのが難点だ。首から手帳をぶら下げて、なんでもメモをとる習慣をつけてほうがいいだろう。私? もちろんメモ魔である。

 

↓ADHDは修羅場に強いし、優秀な戦闘員にはADHDが多い