雑談力がつく3つの質問
「雑談上手」は「質問上手」
ライターの養成講座で教えていて意外と出るのが、インタビューなどで「どう話をつないだらいいのかわからない」「雑談力がない」という話だ。正直なところ、お喋りが苦手な人は編集者やライターに向いていないと思うので、講座ではズバっと言って斬り捨ててしまうのだが、この話が出ると「そうそう」「私もです」と共感する人があまりにも多い。世の中には意外と「雑談が苦手」「気まずい」という人が多いのかもしれない。
そういう受講生が多いとき、ネタにするのが「3つの質問」という話だ。試しに受講生同士で3つずつ質問をさせてみると、雑談苦手派には特徴がある。
質問1:趣味はなんですか?
A:映画鑑賞です
質問2:好きな食べ物は?
A:チョコレートです
質問3:出身はどちらですか?
A:関西の方です
つまり一問一答で、会話が相手のアンサーひとことで終わってしまうのだ。これでは会話は続かないし、相手も楽しくない。
これを相手のアンサーに対する質問に変えてみると、こうなる。
質問1:趣味はなんですか?
A:映画鑑賞です
質問2:どんなジャンルが好きなんですか?
A:邦画のコメディが好きですね
質問3:最近見たので何かオススメのあります?
A:『ヲタクに恋は難しい』は面白かったですよ。原作とちょっと違うけど、原作ファンも十分楽しめると思いますね(←エンジンかかる)
……と、ちょっと会話がはずむ展開になりやすい。
相手も全く興味のないジャンルの話をされるわけではないので、話が続けやすい。コツは相手のアンサーに対する質問に5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、どうした)を入れることだ。質問は具体性があればあるほど答えやすい。
また、相手が自分よりもっと雑談下手な雰囲気なら「必ず答えられる質問」もしくは「YESかNOかで答えられる質問」を投げてみる。これはインタビュー慣れしていない一般の人から話を聞くとき、アイスブレーキングに使うテクニックだ。
質問1:趣味はなんですか?
A:映画鑑賞です
質問2:映画館に行ってスクリーンで見るんですか?
A:いえ、もっぱらDVDですね
質問3:やっぱり、家だとリラックスできますもんね
A:そうですね。最近は新作のリリースも早いし。
こちらから質問するばかりでなく「そうそう」とか「やっぱり」「そうですよね~」とか、言ったことに共感している言葉が入ると、相手はもっと話しやすくなる。慣れてきたら「そうなんですか?」と、その先を促す相槌も有効。
「『麒麟が来る』にキリンは出ないらしいわよ?」「やっぱり!?」