ウツのときうれしかったギフト | ぽてなまの~と 【ときどきADHD話】

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「なまいき」で「なまけもの」な「ぽてたろう」のノートです。
日常のあれこれや、その日考えたこと、そしてADHDや発達障害についての「あるある」などを書いてこうと思います。

ウツのとき友達にもらって

うれしかったギフトは「良い香り」

 

観劇とか食事会に誘われて「う~ん、今ウツなんで。また今度誘って」というと、女友達は何かと気をつかってくれる。「自分が落ち込んだときにいい感じだったから」と、いろいろプレゼントをもらったりした。

 

ものすごくベタに正直な気持ちを書くと、ウツの真っ最中は「え、ギフト? お返しが面倒くさいなぁ」というぐらいにしか心が動かない。だが、もらったモノたちは黙々と「癒しの良き仕事」をしてくれたので、いくつか紹介しておきたい。共通点は、自分では買わない「思いがげない」もの、そして「香りのよい」ものだったと思う。

 

●バラの香り

私は10代の頃からずっと同じコロンを使っていて、相手もそれを知っている。なのに「手を洗ってハンドクリームを塗るだけよ。その場限りで香りは長く残らないから、邪魔にならないはず」と、バラの香りのハンドソープとハンドクリームのセットをくれた。それまで瞬間的に「ああ、バラのいい香りだな」と思ったことはあったけど、自分の体につける発想はなかった。

 

 

洗面台に置いてあった味気ないソープのポンプの代わりにピンクの液体が見える“乙女ボトル”を置いて、手を洗うときはそれを使った。「あ!」と、思わず声が出る。なんていい香りなんだろう。ハンドクリームの香りは少し残って、思わずクンクンしたくなった。

 

ウツのときはお風呂に入るのが億劫で、ともすればサボりたくなるのだが、このバラの香りは私の清潔スイッチをうまく押してくれたように思う。

 

●箱入りチョコレート

「最近のお気に入りだから」と、高級チョコレートを2ダースもらった。「毎朝1個、“おめざ”にね。好きなフレーバーがあったらメモっておいて。また買ってきてあげるから」と言われた。チョコレートの甘さと芳醇な香り。それだけで涙が出る朝もあった。インスタントではなく、ちゃんとコーヒーを淹れようという気力が出た。

 

 

●箱みかん

「どうせヒキコモっているんなら、王道は“こたつみかん”でしょ?」と、和歌山の箱みかんが1箱届いた。「足はいつも温めておきなさい」と言われた。アロマテラピー的にはラベンダーらしいが、日本人の場合、みかんや柚子といった柑橘系の香りのほうが過去の幸せな記憶と結びつきやすく、安らぎを感じる人が多いという。

 

大阪の叔母も箱みかんを送ってくれた。「去年ぽてたろうが『おいしかった』と言ってたやつね、今年はあまり作柄がよくないみたいなのよ。おばちゃんも食べてみたけど酸っぱかったわ。おいしくなかったらジュースにでもしなさいね」

 

今年の冬はみかんを2箱完食した。

みんな「別に特別なことじゃない」っていうけど、私にはとても特別なギフトだった。どんな薬より効いたんじゃないかと思う。