そのスタミナメニュー体質に合っている?
中国薬膳の先生に聞いた
本当は怖い「間違った」スタミナ食
日本人なら誰でも食べて大丈夫な
「オールマイティ」食材とは?
本来、薬膳とか食養生とかいうものは、個々人の体質をよく知ったうえでないと食べるものが選べない。誰が食べても「スタミナがつく」というものはないのだ。
日本で「精がつく」夏のスタミナ食といったら、名前があがるのは「ニラレバ」「うなぎ」といったところだろうか。
だが、こういったスタミナ食をやみくもに食べるとかえって体調が悪くなることもあるらしい。
ここでは話を単純化するために、体質を3つだけにしぼる。
- 虚証……顔色が悪く、ヒョロっとやせた疲れやすいタイプ。声は小さく、元気がない。
- 実証……顔は浅黒い、もしくは赤ら顔。体つきはがっちりしていて体力がある。声は高めで大きい。
- 混合型……両方の特徴が半々ぐらいの人。
たとえば、食欲のない虚証の人が「なんとかスタミナをつけなければ」と油っこいうなぎやレバニラを無理して食べると、胃もたれや消化不良を起こし、ますます食欲がなくなり体力が落ちる。
逆に実証の人が、いわゆる「スタミナ食」を食べ過ぎ、日々の生活で充分に休まないと、体の中でエネルギーが滞り「腹上死」を筆頭とする脳心臓血管イベントにつながりやすい。
薬膳では本来、その人の体質や、その時々の体調によって食材を組み合わせていくので、素人が簡単に考えるのは返って危険だ。ただし、日本人のほとんどが体質に関係なく食べられ、しっかり滋養になるオールマイティフードがある。
それが、「山芋」だ。山芋なら虚証の人の胃腸に負担もかけず、実証の人に過剰なエネルギーを与えることなく気の流れを整えてくれる。
この時期、とろろ蕎麦やとろろご飯ならあっさりと喉を通りやすいという人も多いのでは?
※画像はお借りしています。