またピアノの話です。

 

先生に9月限りで辞めることをお伝えして、初めてのレッスンは

ショパンのワルツ第14番遺作を持って行きました。

 

 

 

何年か前の発表会で弾いた曲です。

 

選曲を考えた時のポイントは、次の3点。

 

  1. 辞めた後に弾いてテンションが上がること
  2. 人前で弾いた時に聞いたことがあると思われそうなこと
  3. 4回のレッスンである程度弾けそうなこと

 

 

候補に挙げたのが

ショパン ワルツ第14番遺作と

ショパン ノクターン第1番でした。

 

上記を踏まえて選んだのがワルツ。

やはりノクターンとワルツを比べたらワルツの方が華やかです。

 

冒頭、華やかなアルペジオで始まり、

軽やかなワルツ、激流のような低音、優美な音楽、

そして急き込むようなフィナーレ。

3分足らずの曲ですが、ショパンらしさが盛り込まれ

そしてシンプルな楽譜の割に聴き映えするように弾くには

それなりに技術が必要な曲。

 

弾いてみたら楽譜の紙が黄色がかり、音符が滲み気味で

老眼が進んだ目には辛いものがありましたが

音や指遣いは5年ほど経っていても

意外と覚えているし、意外と動きました。

脳と身体に残っているのですね。

全く無駄だった訳ではなかったと嬉しくなりました。

 

ただ迷うこともありました。

左手の楽譜はヘ音記号で表されますが、

そこにト音記号が現れた場合、

このト音記号はどこまで有効なのか、です。

 

習ったのは多分40年以上前。

以来考えることなく自然にやってきたので、

改めて考えたら分からなかったのです。

ト音記号ならこの音、ヘ音記号ならこの音と弾いてみても

どちらもあり得ない音ではなく、どちらで弾いていたか思い出せず

レッスンで聞くことにしました。

 

そして今ならどう弾くか明快に分かるのに

当時は絶対にそういう弾き方をしていなかったことも気付いてしまった。

主に左手伴奏の弾き方なのですが、

ワルツなのに一拍目のバスを響かせるように弾いていなかったと思う。

右手の謳うところも、強弱とかルバートのことはやっても

歌になっていなかったと思う。

 

だから当時、消化不良で終わってしまったのですよね。

今なら分かるなら、少しでも表現できるようになって

レッスンを終了できればいいな。