樫本大進&キリル・ゲルシュタイン デュオ・リサイタルに行ってきました。

緊急事態宣言が出され、中止になるかと思いきや、一定条件を満たせば実施可能とかメールが来ました。
そうなればこの公演中はコロナのことは忘れて楽しむばかりです。

席はボックス席。
さすがに観客は少なく、5人くらい並びの席で私1人。
ぐるりと見渡してみても各ボックスに1人いるくらい。
舞台前のS席はさすがに混みあってました。
1席ずつ開けるとかではなく、普通に全席が売られていたのを買ってから気付きました。
主催が民法放送局だからかな。
これだけ中止が続くと開催できるもので少しでも収益上げたいだろうなとは思います。

さて、曲は前半でプロコフィエフ、フランク。
後半で武満徹、ベートーヴェン。
アンコールは2曲でしたが、公演後ロビーに貼り出しはありませんでした。

全体的に難解な音の曲に感じました。
初めて聞く曲が多くて、プロコから始まるから余計にそう思ったのかもしれません。
重厚で落ち着いた、優しい大人の音でした。

フランクのヴァイオリン・ソナタは、テレビで辻井伸行さんと三浦文彰さんのデュオを度々見かけるので、あの曲だなと思いました。


私が見かけるのは多分「題名のない音楽会」か「らららクラシック」だと思う。
そして、このお二人の音が若さなのか、フレッシュな演奏なのだと気付きました。

クロイツェルは、聞いたことがない訳ではないけれど、意識して聞いたのは初めてでした。
音がね、出だしからこれぞベートーヴェンという音で、私はやっぱりベートーヴェンの音楽が好きなんだと強く思いました。
他の曲も美しかったりしたのですが、安心の度合いが違う。
次に来る音が予想を裏切らない。
プロコとか武満徹は半音がどこか憂いのある音のような気がして、一週間の仕事帰りに聞くにはモヤモヤしてしまうのです。
精神的に一番落ち着いている土曜の夜に聞いたら違って、何とも言えない半音とかも綺麗だなと思うかもしれないのだけど。

あとはクロイツェルに限らずなのですが、なんとなくテンポが合ってないように感じて、微妙にズレを感じるのが気持ちよくなかったです。

そして、暗めの曲は見下ろして聴くのは精神き衛生上、あまりよくないですね。
正面の席でゆったり背を預けて若干上向きに聴くのがいいな。
下を向くのは単純に首が痛いし、なんとなく憂鬱になります。
浸りたいのに浸りきれない、そんな演奏会でした。
仕事帰り×下向きはよくない、と。