「一緒に住まないか?」

『えっ…でも…「俺は迷惑じゃない。」

「お前と一緒に居たいんだ。」





モーツァルトよりも、
リストが似合う

長調よりも、
短調が似合う

ブラームスみたいな重圧、
ベートーベンほど暗くはない



でも、あなたに一番似合うのは、
ラフマニノフ


書斎の重々し扉から、ショパンが聞こえる
大学生になって、自室とは別に書斎を作った

もともとは壁面の書棚にたくさんのレコードと、年代物のレコーダーとそれを楽しむためのアンティークの椅子とテーブル、建物の外観といい、近代ヨーロッパにタイムスリップしたような、そんな部屋

家の人は書斎と言っているけど、この部屋に本格的に書き物が出来る机はない。

景吾はいつもただ、お気に入りの本を持ち込んで、お気に入りのレコードをかけているだけ
隠れ家のような部屋




彼と別れた


卒業したら結婚しようねって言ったのに



嘘は嫌いだと言ったのに




傷付いた男の子を拾った


【ねぇ、なんで何も聞かないの?】

【聞いたらいなくなっちゃいそうだから】

【何も聞かないからここにいて?】


呼び捨てに返事が出来るほど傷は癒えてなくてさん付けで呼ばれるのは悲しいから丁度よかった


【起きなきゃダメ?】
【ぢゃぁ、こうしてて?】


涙を拭いてあげる
キミが泣いてたって知ることがないように