富士山と日本人の精神 江原啓之さん | たましいの響き

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2013年に富士山がユネスコの世界文化遺産に登録されて注目を集めていることも、日本の今後のあり方を示唆するメッセージだと私は読み取っています。


今回の登録は、自然遺産ではなく文化遺産として登録されたところに意義があります。


では評価の対象となった文化とは何か?

これは富士山信仰にほかなりません。


富士山は尊ぶべきご神体であって、登ることを許されるのは、本来ならば白装束をまとった行者のみ。

四方八方から見える富士山は、いわば見えざるものへの畏敬の念の象徴です。


「お山が見てござる」という言葉は 「お天道さまが見てる」という言葉と同じ意味をもっています。

その思いを大切にしなさいという天啓なのではないでしょうか。


先だって河口湖から富士山を仰ぎ見た時、あらためて感じました。

日本人の文化と精神が宿っていると。


しかし、その大切なものが失われようとしています。ツイッターの炎上騒動に見られる一方的で感情的な発言、近隣諸国へのヘイトスピーチに見られる好戦的な態度・・・。


かつて日本では、はしたない恥じるべきとされた行為が当たり前のように繰り返されています。


古来、日本人には神の座に立つ精神性がありました。


個人的な感情から離れた一段高いところで物事をとらえ、挑発に乗らず、闘わず、常に理性的で人前で感情をあらわにせず・・・・。それを思い出して日本人としての原点に立ち戻りなさい。

私には、そう言われている気がしてなりません。




そして富士山本宮浅間大社におわすのはコノハナサクヤヒメ。女性の美徳を象徴する神さまです。


古来、日本女性にとっては憧れの存在でありました。今こそ彼女のしなやかさ、たおやかさを見習わなくてはとも思うのです。


「お試しの年」「まやかしの年」に必要とされるのは、先見の明と、物事の意味を知る深い叡智、日本人の本質にある高い精神性。


それを肝に銘じて日々を生きれば、2014年はきっと有意義なものになるはずです。


Hanako2014年1月9日号 「聖地への旅」より