その5、川崎中1殺害事件「江原啓之さんと林真理子さんスペシャル対談」 | たましいの響き

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前回のつづきです。その5

<ネットを信用してしまう怖さを子供に伝えなければ>


夜9時以降は、15才以下のPC、スマホの使用禁止を!


「今回の事件で私はマスコミやネットとの齟齬(そご)もいっぱい感じたんですけど、社会で起きたことを作家なりに分析したり、違うんじゃないかと言ったりすると、即座に叩かれる。だから、雑誌を見ても、食べ物の話とか当たり障りのない話ばっかりになって、この頃、エッセイやコラムがすごいつまらないの。そこには分析も批判も批評もないんです。」


江原

「私がコメンテーターで出演している番組で、安楽死が問題になったことがありました。その時、恐ろしいと思ったのは、みながみな 「自分も同じように安楽死したい」って、平気で言うんですよ。

だから私は言ったんです。 

「あなたがそう考えるのは自由だけど、そういう考えって結局は、生まれながらに重い障害を負っている人や高齢で寝たきりになった人とか、役に立たない、使えない者は死んだほうがいいんだってところにつながっていくんですよ」って。私以外にそんな反論する人がいなかったことにびっくりしました。」


「みんな叩かれるのが嫌なんです。 私のエッセイにしたって、私は違うと思いますって論争が起きたっていいはずですが、紙のメディアでは誰も言わない。私はこの仕事を30年以上やってきて、今ほど言論が抑えられている時代はないと思いますね。

今、社会は本当に二層分化していると思うんですよね。ツイッターしか見ない、ネットしかやらない人と、私たちみたいに活字の中で発言している人たちと・・・・。」


家庭内にコンピューターは入れるべきではないと思っています


江原

「フェイスブックに否定はないですから。みんなで「いいね、いいね」の共有でしょ。それにネットではみんな匿名です。私たち昔から、「言いたいことがあるんだったら、名前をちゃんと名乗って、相手の目を見て語れ」って言われてきましたけれど、今はそれも一切ありません。」


「あと10年ぐらいしたら、ネットが子供の気持ちをどれだけ悪くしたか、その弊害がだんだん明らかになると思いますね。すでに女子高校生では1日に平均7時間、スマホを見ているというんですから。

話が飛ぶかもしれませんが、ヨーロッパなどでは、ゲームと同じ感覚で、イスラム国に普通の子たちが入っていくじゃないですか。日本の子たちだって、やがてそうならないとは限らない。かつては身元のわかっている周りの人としか知り合えなかったはずなのが、今は違う。その怖さ私は、三鷹で起きたストーカー事件の時にとても感じました。」


2013年10月、東京に住む高校3年生の女子生徒が、関西在住の21才の男に殺害された。

2人は実名を名乗るSNSを通じて知り合い、交際を始めた。

男は高卒のフリーターだったが、関西有名私大生と偽っていた。

やがて別れ話のもつれから、リベンジポルノをネットに投稿。ついには殺人まで発展した。

インターネットや、その入り口となるパソコンやスマホと、どうつきあっていくべきか。

子供たちにどう伝え、教えればいいのだろう。


「殺された女の子は、しつけも行き届いたきちんとした家庭のお嬢さんでした。ところが、ネットを通して出会った男性の嘘を信じて、彼と会う。その結果、とんでもないことが起きたんですよね。しかも、殺されたあとにリベンジポルノを投稿されて、また辱められている。私が彼女の親だったら、犯人を殺したいと思いますよ。」


その6につづく