この病気の何が困るったって、まずはレム睡眠行動障害だ。睡眠時、幻覚によって大暴れをする。それをせめて深夜だけでも静かにさせるために薬でコントロールさせると、次はふいに訪れる舌根沈下の発作だ。一度は救急搬送時に救急救命士の手元を見て習得した方法で今まで難を逃れて来た。しかし、24時間見守ることはできない。したがって、ついにその時はきた。
レビー小体は脳幹に悪質たんぱく質がレビー小体を形成するので、生命の根幹を司る神経が暴走するらしくて要介護5の寝たきりのはずなのに、いきなり起き上がって腕立て伏せをするかと思えば、うつ伏せに寝かせられておむつ外し防止(掌がラケット)の手袋を器用に使って自慰行為をする。最後はこのことしか頭にない。
長生きしてもらうには気道切開して人工呼吸器をつけるしか方法がないが、どんな手段を使っても自慰行為は止められないだろうし、その姿を想像すると丹ちゃんの名誉のためにも、これでよかったかもしれない。棺の中で思いきりズボンに手を突っ込んでやった。「さあ、好きなだけ、触りなさい。」
彼の介護は年の違わない私には、ちょっと限界が来ていたし…。
享年74歳。 戒名 精阿豊克信士(そのままやん!)
