新宿から8人のおっちゃん達がやってきたけれど、慣れない営業やっても、なかなか仕事はない。家賃はどうする?米はフードバンクからもらうとしても、おかずはどうする?
こたつを囲んで、「そうだ!無料低額宿泊所をやろう。」「一人でも生活保護がいれば、家賃の足しになる。」「そうだ、佐藤のじいさんが新宿駅で野宿をしている。あのじいさんなら、もう70は過ぎている。」「みんなで仕事をつくろうって、集まったのだから、あのじいさんは働けないし、声を掛けなかったけれど、いてくれるだけで住宅費は出るぞ。」
そうして、連れて来たじいさんだが、来て1週間後に迷子になった。みんなで手分けをして、探したのなんのって。一時間後に集合しようと、決めていた交番の前。みんなが集まりだして来たから、交番の中をのぞいたら、なんと佐藤の爺さんがいるではないか。
いかにもボケた爺さんが、歩いているから職務質問をされていた。いやあ、よかったー。
よかった、よかった。みんな顔をくちゃくちゃにして泣いていた。
「冷え込んできたからよう。じいさん、どうしちょるかと思って、気が気でなかったよう。」
「どうだい、人に心配されるのも、人を心配するのも、いいもんだろう。」
「ああ、なあ。」「せんせ、後はいいから。疲れたろ、帰ってな。わしらが爺さん連れて帰って、風呂入れて寝かせるから。」
みんな、幸せな顔をして、ぽたらかに帰っていった。みんなの我が家へ。夕日がまぶしかった。
