悲劇は時として喜劇になることもある | ぽたらか

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ぽたらかは20年の歴史を閉じます

「笑ってはいけない話だ。」とひとしきり笑いをこらえてみんな最後にこう言う。でも、なんでおかしいのだろう。
3畳一間のオンボロアパートにすんでいるうちの64歳になるスタッフの大家さんから電話がかかってきた。「○○さんのところに女性が住んでいる!」「えーっ??」「その女性の死体があるって警察に通報があったんだけど!」「ええーっ!!??」今警察が来ているんだけど。」「え、えーっ!!!!!?????????・」
 
一体なんのことだあ?慌てて携帯で呼び出す。要領を得ない彼の話を要約すると、今朝白髭橋のたもとで女性親子連れがいたので声をかけた。おばあさんのほうが寝ていないというので、とりあえず自分のアパートへ連れて帰った。益々具合が悪くなったので救急車を呼んで病院に運んだら、死んでしまった。娘のほうは知的障害のようだったーというもの。
 
「だから、なんで橋の下ですぐに救急車を呼ぶか私たちに連絡しないの?犬猫じゃあるまいし、勝手に人間を拾ってくんなよ。」「いえ、一休みさせようと思って連れて帰っただけですう。」「白髭端からあんたんちは何キロあるとおもってんの?橋の下で虫の息だったところを歩かせてとどめをさしたわけね。」「???」わかるわけないか。
 
実はこの人も知的に障害があって、夜勤をしていると入寮者の僅かな熱でも勝手に救急車をよんで皆を振り回す癖がある。人の命を助けているって高揚感かな。それにしても、あの汚い部屋に女の死体なんて余りにも想像つかないから笑ってしまうんですけど。でも、彼に下心があるわけじゃなく、善意の塊なんだな。で、最後に葬祭部担当にこういった。
 
「とりあえず、念のため棺おけだけは用意しておけ。」