34,41,45……。21歳が失踪してから、募集をかけて一ヶ月。給料は安いのに『住み込み』に引かれてきた人は間違いなくみな、ホームレス状態。
「ねるとこどうしよう。」と本人を待たせて、裏でミーティング。「一人はあちらに、一人は押し入れに、もう一人はベランダに小屋建てましょう。」
「全員採用決定!平均年齢若くなったね。」「いや、21歳がやめたから、平均年齢でいうと若くはなっていないんじゃない?」
「3人のうち、一人が残ればましなほうだな。」無口な人工透析がぼそっとつぶやいて、病院にいく。
失踪を恐れていたんじゃ、こんな事業できない。どこの馬の骨か分からない人にいきなり、給料前貸しして携帯を持たせてやるんだもの。疑りもしないかわりに信じ切りもしない。
ずっといてくれたら嬉しいけど、出て行くときだけは前もって断ってね。うちの条件はそれだけ。
それより、今失踪しているFさんが近くで発見されだした。声を掛けると「いんにゃ、ぽたらかにはかえらねえって」というわりにはどうしてこう眼の着くところに居るんだ。空き缶に紐つけて、餌付けしようかという声もあるが。