お久しぶりなのに連続投稿ですみません。
ちょっと前に高1娘と行った製菓学校のオープンキャンパスの備忘録です。

 

娘が申し込んだ製菓学校のオープンキャンパス。保護者もどうぞ~ということなので一緒に行ってきました。

もうね、廊下に展示してある作品(マジパンのケーキとか飴細工とか)を見ただけでテンションがヤバい・・・。

生徒さんの手書きノートの素晴らしいイラストを見てテンションがヤバい・・・。

3時間近くかけてゼロから作らせてもらえるショコラケーキを試食してテンションがヤバい・・・。

いや、ホント、なにもかもクオリティが高すぎて「ヤバっっ!!」連発の語彙力ゼロ状態でした。

 

子ども達がケーキを作っている間、保護者だけでじっくりとお話を聞く機会があり、いろいろな情報を得ることができました。

 

*製菓業界はホワイトな業界になりつつある

長時間肉体労働、休みなし、パワハラ上司の三重苦で心身ともに崩壊し夢が途絶えるという時代は終わりを告げつつあるようです。

働き方改革がこの業界にも浸透しているのに加え、なんといっても圧倒的な人材不足!

就職活動は完全な売り手市場でブラックな職場だと優秀な人に来てもらえないそう。学校も求人先を徹底的にリサーチし、ブラックな職場には卒業生を絶対に送り込まないようにしているらしいです。

 

*コロナ禍で製菓業界は急成長

会食や外食が制限される中、自宅でちょっと贅沢したいというニーズに元々テイクアウトメインだったお菓子屋さんがベストマッチ。需要が激増して急成長しているらしい。

ただ、ちょっと贅沢に悪ノリして価格が上がりすぎ、今や生ケーキワンピースが500円という値段設定に。これはこれで、たくさんの人を笑顔にしたいという思いに反してしまっているとのこと。

 

*キャリア教育に力を入れている

少子化と文科省の大学進学率アップ作戦で、日本では元々希薄だったキャリア教育がさらに置いてけぼりになっている。

大学進学率アップはしているものの、中退率も過去最高。転職サイトの登録で一番多いのが大卒1年目の人達という大きな矛盾が起こっている。これは、自分の将来的なキャリアを考えずに偏差値だけで大学・学部を選び、打ち込むことが見つからないまま卒業し(当然と言えば当然)、数打ちゃ当たるで当たった企業に就職するという思考停止の結果。

「この学校では、常に『10年後、20年後の自分が今日の自分をみたらどう思うか』を生徒に考えてもらっています」という言葉が印象的でした。

 

*学費がバカ高い!

全日制の2年間の学費はぜーんぶコミコミの明朗会計で440万円。

ざっくり私立文系4年分+100万円。日本の製菓学校の中でもトップクラスに高い学費だそう。

ただ、その分授業時間(とくに実習時間)が長く、2年間でつくるお菓子の種類は600種類!!他の学校ではやらないマニアックなことも1か月かけてじっくり学べるので、卒業時点で自分の中の引き出しがたくさんできる。

学費が半額の夜間部も履修内容は同じ。ただし、実習時間等は1/3になるため、一つ一つに対する経験は浅くなる。それでも夕方6時~9時半、週3日なので非常に通いやすく、全日制が充実しすぎているので見劣りするが、夜間部でも他の全日制の製菓学校と大差ない。卒業時、就職時は全日制の生徒とまったく同じ扱い。

 

*入学のタイミング

高校新卒がダントツに多い。次が大学中退・大学新卒・社会人。

夜間部には高校、大学とのダブルスクールの人もいて、高校、大学卒業時にこの学校の卒業生にもなる。全員がこの学校の卒業生として製菓業界に就職している。

最近は、偏差値70近い進学校から入学してくる生徒が毎年いる。

 

*就職率は100%

全日制・夜間あわせて約200名の卒業生に対し、求人件数は3,000件弱。

この学校に限らず、どこの製菓学校も就職率は100%。産休、育休明けの人にも働いてもらわないと業界が回らないため、キャリアの再開もしやすい。子育て中の人にも働いてもらわないと業界が回らないため、福利厚生も充実している職場が多い(特にホテルなどの大手)。

 

*パティシエ留学は必要ない

洋菓子の技術的な面では近年アジア圏の上昇が凄まじく、世界的なコンクールでも常に上位を占めている。

技術的なことを学ぶために海外(というかフランス一択)に留学する必要はない。この学校は、在学中の留学は基本的に認めていないが、卒業後に行きたい人には海外に卒業生がたくさんいるので随時紹介している(文化の違いなどを学ぶのはよいこと)。

 

*食材を大切に

当たり前のことだけれど、毎日作るお菓子は確実に誰かの胃袋へ。

学校で食べてもよし、自宅や友達にお土産にしてもよし。それでも余る分は子ども食堂や老人ホームなどに運んで食べてもらっているとのこと。素晴らしい!

 

 

思い返すとざっとこんな感じかな~。

私が得ていた情報(超絶ブラック!離職率9割!フランス語マスターしてフランス留学マスト!それでも身体壊してリタイア!!)とは随分違ってビックリしました(必ずしも聞こえのいいことだけを言っているという感じでは全然なかったです。給料はとても安いって言ってたし)。

業界の情報が大幅にアップデートできて、本当に行ってよかった~。

 

娘が実習中に先輩から聞いた話は、

2年生のカラフル&映え映えな作品をみて夢見てるだろうけど、1年はホントーに茶色!茶色!!茶色!!!

2年になるとミキサーが使えるけど、1年は全部手作業!うん十人分の生地を毎日、毎日、自分で混ぜる!筋肉ムキムキになるので細身のお洒落な服なんて着られない!!

だそう。

 

オープンキャンパスはリピーター大歓迎。娘は来月のオープンキャンパスにも申し込むみたいです。

完全無料で3時間かけて作り方を教えてもらえて、レシピももらえて、その場で試食したうえにお土産に一人3個お持ち帰りって、太っ腹すぎない~!?

来月と言わず、毎月行って欲しい。