こんにちは!
夢みる給食研究室のあけみんです。
この記事に興味を持っていただき、ありがとうございます。
今回は、韓国の親環境無償給食についてお話しします。
このブログでは、学校給食に関心をお持ちの保護者や教育関係者、有機農業を営む農家の皆様に、有機農産物を学校給食に取り入れていくためのヒントをお届けしています。
お隣の国、韓国では2011年より、親環境無償(UFEF)給食プログラムが実施されています。
UFEFは、universal free, eco-friendly(ユニバーサルフリーエコフレンドリー)の頭文字をとったものです。
このプログラムは、すべての学生に無償でエコフレンドリーな給食を提供するもので、子供たちに栄養バランスの取れた食事を提供することを目的としています。
さらに、持続可能な農業の支援や地元経済の活性化を図る狙いもあります。
このプログラムの導入には、いくつかの社会的背景があります。
まず、韓国では、学校給食を通じて公衆衛生の改善と食の安全性向上を図る動きが進んでいました。
しかし、地域によって給食の質や費用に大きな差があり、これが社会的な不平等を生み出していました。
そのため、地方自治体や市民団体が一丸となり、全ての子供たちに平等に安全で健康的な食事を提供することを目指して、このプログラムが推進されました。
特に、廬武鉉政権の時代に自治体や教育委員会が積極的に関与し、給食のエコフレンドリー化と無償化を実現しました。
UFEF学校給食プログラムは、次のような特徴を持っています:
全ての生徒に平等に提供される
すべての学生に対して無償で給食を提供することで、経済的な格差を解消し、平等な教育環境を整えています。学校給食は教育の一環です。教育はだれでも平等に受ける権利があります。したがって、給食も誰でも平等に受けることができる、、、つまり欠食支援ではなく、教育の一環としての「無償給食」なのです。
環境にやさしい食材の使用
プログラムでは、健康で伝統的な食べ物である有機農産物や無農薬の食材を使用し、子供たちに安全で健康的な食事を提供しています。これにより、伝統的な食文化の継承や地元の農家を支援し、持続可能な食や農業を促進しています。
こうした給食を可能にしたのが、新環境農産物の供給チェーンの確立です。
給食支援センターやフード統合センターと呼ばれる、自治体の機関(第3セクター)が、学校給食を中心に地域農産物の地域内循環を可能にし、地域経済の活性化も図っています。
地元農家にとっても学校給食という安定した市場が提供され、経済的な支援となっています。
一方で、課題も存在します。例えば、親環境農産物の調達コストが高いため、財政的な負担が大きいことや、地域によって給食の質に差が生じてしまうことです。
こうした課題を解決するために、韓国政府や自治体のさらなる支援と協力が必要だとされています。
韓国の無償給食プログラムは、持続可能な社会の実現に向けた一歩として注目されています。
今、日本でも、給食の質や費用において、地域格差が大きくなりつつあることが問題視されており、このことが社会的な不平等を生み出しています。
政府の「こども未来戦略」でも、学校給食費の無償化に向けた具体的な方策を検討することになっていて、文部科学省が全国の無償化の状況を調べるなど、無償化に向けた取組みが徐々に進んでいるようです。無償化が進む一方で、給食の提供を受けていない子どももおり、公平性の観点も踏まえて効果や必要な支援を検証していくことが示されています。
全ての子供たちに平等に安全で健康的な食事を提供することを目指して実施されている韓国の親環境無償給食プログラムは、日本の学校給食無償化の参考となる政策だと考えています。
給食を無償化するだけでなく、給食の質的な担保もセットで検討していく必要があると思います。
日本の子どもたちが健康で安全な食事を享受できるようになることを願っています。
これからも、学校給食に関する最新の情報をお届けしていきますので、どうぞご期待ください!
以上、あけみんでした。