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┗■1.2013福島県郡山市と会津の桜の花の調査結果
 |  昨年よりも空間放射線量が下がったのに、調査結果は2倍以上に悪化
 |  年間放射線量が減ってきても、放射線の影響は段々多くなって
 |  きている事実
 └──── 近藤恭彦(たんぽぽ舎会員、福島県)

 昨年に引き続き、桜の一種であるソメイヨシノの花の異常花調査を、郡山市と
会津で行いました。ソメイヨシノで調べる理由は、全国に分布している事も大き
な理由ですが、もう一つ重要なことは、ソメイヨシノは基本的に接ぎと挿し木で
増えるので、日本全国のソメイヨシノが基本的に同じ遺伝子を持ったクローンと
考えられるからです。

 調べた場所は、福島第一原発から直線距離でおよそ60kmの郡山市開成山公園
で、北、南、西側の3か所、それから福島第一原発からの距離が100km前後の
福島県の西部、会津地方の、会津若松市、喜多方市、磐梯町です。会津地方は、
郡山市のある中通地方との間に山脈があり、中通地方と比べると、土壌の放射性
物質の量も空間放射線量も郡山市よりはずっと低い値です。(数分の一レベル)
 全て昨年と同じ木で調査しました。有為の調査になるように、高校生や大学生
と共に、人海戦術で、毎回8人くらいで調査しました。各地点の木1本につき、
800~2500の花を調査しました。

 昨年の異常花率は、郡山市で1.6から2.6%、会津で1.6から2.2%で、意外に大き
な違いはありませんでした。今年は昨年よりも空間放射線量が下がったので、昨
年よりも低い値ではないかと予想して、調査しましたが、予想外の結果となりま
した。

 異常花率は磐梯町慧日寺の一か所で1.1%と昨年(1.8%)よりも減りましたが、
他の調査7地点では全て増えていました。
 会津では、会津若松市鶴ヶ城で3.4%(昨年2.2%)、喜多方市熊野神社長床で4.
1%(昨年1.9%)と、それぞれ昨年の1.5倍、2倍となりました。
 郡山市の調査結果は更に極端で、空間放射線量が最も低い[0.28μSv]西口の
老木でも3.4%(昨年1.6%)で、北側[0.34μSv]で9.4%(昨年1.6%)、南側[0.
42μSv]で13.3%(昨年2.6%)と、大幅に増えました。どの地点も2倍以上に増
え、北側と南側では、共に5倍以上になりました。

 異常花率が高くなったばかりではなく、1つとカウントする異常花1つあたり、
複数(多くて5種類)の異常を持った花が沢山観測されました。例えば、花弁の
数もがくの数も通常の5枚ではなく、さらに一部の花弁が重なっていて、異様に
小さい花弁が1つ2つ混ざっていて、更に雄しべやがくが花弁化していたりと、
極端な異常花が、郡山市で沢山見つかりました。
 郡山市を含む中通り地方は、まだまだ住むのには危険ではないか?と再認識致
するとともに、空間放射線量が減ってきても、放射線の影響は段々多くなってき
ている事実もわかりました。
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郡山支部は、4月4日に、全ての外務員に「マスク」と「線量計」を支給するように要求書を提出しましたが、まだ、回答はありません。