特養エルピス不当解雇撤回裁判を支援する集い

    人によりそう
         介護のために
http://pub.ne.jp/rentaiun/image/user/1284398177.jpg入居者を大事にしようとした関根さんがなぜ、解雇されなければならなかったのか。
 高齢者と介護労働者の。人権と尊厳を守る介護のあり方を、一緒に考えてみませんか。
特養エルピス不当解雇撤回裁判を支援する集い
日 時:2010年9月25日(土)14:00〜
会 場:須賀川アリーナ会議室
(資料代500円)
 関根たつ子さんは、特別介護老人ホーム(須賀川市)で介護職員として誠実に働いてきました。
 入居者に寄り添う介護を心掛け、8回以上も契約更新を繰り返してきたのに、本年3月20日に解雇されました。関根さんの解雇から、介護現場の何が見えてくるのか。まともな理由もなく非正規だからといって簡単に使い捨てられるのは許せないと、8月5日提訴しました。
〈プログラム〉

●弁護士 斎藤 正俊さん  原告 関根 たつ子さん
●講演とパネルディスカッション
 「今、介護の現場で何が起こっているのか?」
ー特養エルピス解雇事件から見えてくるものー
 
講演 村岡 寛さん(村岡福祉医療総合研究所)
    プロフィール 介護現場、病院事務長などを経て現職。福島県老人保健施設協会監事、ALS協会福島県支部会員、地域づくり団体もろびと舎代表等
パネルディスカッション
コーディネーター 長谷川 秀雄さん(NPO法人いわき自立生活センター理事)
いわき自立生活センターは障がい者、難病者の訪問介護事業を行っています
発言者 介護施設入居者家族 ケアマネージャー 介護労働者

●連帯の挨拶
●支援する会結成呼びかけ
特養エルピス解雇撤回を求める関根たつ子さんを支援し高齢者介護を考える会
TEL 024-973-6794 FAX 024-973-7529 rentaiun@gmail.com
※非正規労働に関する電話相談を行っております。電話番号は上記。
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非正規介護労働者が不正解雇の撤回(地位確認)を求めて社会福祉法人篤心会を提訴するに当たってのアピール

全ての介護労働者に安定した雇用と生活できる正当な労働条件を実現しよう!
 介護現場で日々苦闘する労働者の皆さん、そして全ての皆さん。
 介護労働者はいつまで、低賃金・労働基準を下回る条件・不安定な雇用・尊厳を傷つけられる扱いに甘んじなければならないのしょうか?介護の仕事を志した多くの仲間が、職場を移っていき、あるいは介護現場そもものから去っていく事態が後を絶ちません。「制度の問題」として諦めるしかないのでしょうか?社会的介護制度は多くの問題を抱えていますが、同時に責任を自覚しない態度で介護事業を展開する経営者や施設管理者も多々見受けられます。こうした事業には多額の税金が使われているのであり、事業者には様々な社会的責任が伴いその責任をしっかり果たして貰わねばなりません。
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1.関根たつ子さんは、2006年10月から特別養護老人ホームエルピスで、介護職員として時給720円で働いていました。ところが昨年(2009年)9月「今回の契約を最後に以後更新しない」と突然雇い止め通告されました。この時点ですでに過去8回にわたって契約更新が行われていました。
2.施設に対し解雇雇い止め理由を明確にするよう求めましたが納得のいく説明はありませんでした。関根さんは思い悩み当労組に相談し加入しました。
3.団体交渉のなかで篤心会側は単に契約期間終了による更新拒絶であって「解雇ではない」と主張。さすがにこれだけでは理由として弱いと考えたのか、本人の再三の求めでやっと出された施設長名による「雇い止め理由書」には職務の能力不足、勤務成績、勤務態度不良と記載。組合が具体性を追求すると「おむつ交換は一人平均3分でと言っているのに4・5分かかる」とか「食事介助に時間をかけすぎている」「上司に口ごたえする」などと発言。関根さんは「身体的に弱っている入居者を粗雑には扱えないし、一人一人の状態はそれぞれで、画一的対応では入居者に負担がかかり安全な介護もできない」と反論しました。篤心会側は関根さんに対し、介護職として全て否定する中傷に近い発言に終始しました。
4,昨年12月21日と本年1月20日の団体交渉は事実上決裂。組合は地労委による「あっせん」を提案しましたが篤心会はこれも拒否。交渉における篤心会側のかたくなで強硬な態度によって、管理者の一存で職員の人事はどうにでもできるという傲漫な思考と、交渉のなかで明らかになった骨折事故について「仕方なかったこと」と発言し開き直って弁解することにみられるような効率化追求の姿勢ばかりが強く印象付けられるものとなりました。
5,本年3月20日の解雇期限を目前にした3月15日、双方の少数による3回目の団体交渉が行われ、組合はギリギリの「当面妥協」を追求しましたが法人側が拒否。このときすでに篤心会が「地位不在確認申立」を福島地裁に行っていたことが後日判明しました。(篤心会による申し立ては3月9日)
6,この申立てによる労働審判の中で、篤心会の驚くべき労務管理の状況が明らかになりました。裁判に使うためとわざわざ記した上で「関根さんと今後一緒に仕事したいか?したくない場合は理由も」という書面アケートを職員に配布したのです。職員の上下関係を考えればこれは事実上業務命令であり、自らの雇用主が何を期待しているのかを職員はあまりにも明白に理解できます。そして自らもまた強力な管理下にあることを自覚します。人間対人間のより良い関係の中でこそ適切な介護が提供されるはずです。働くものが萎縮してゆとりを持てない環境であれば、介護を受けている高齢者にこそ大きな影響を及ぼすことが推察されます。これは異常な労務管理体制と言わねばなりません。
7,篤心会による「地位不在確認申立」の労働審判は5月7日・6月14日・7月9日の3回開かれ和解の追求も一定行われましたが不調に終わりました。篤心会が申し立てを取り下げ、審欠が出されずに労働審判は終了しました。
8,関根さんは「お金の問題ではなく人間の尊厳と名誉の問題であり、これを譲るわけにはいかない」「声を上げられずにいる多くの介護労働者に思いをはせて私は声をあげる」と発言しています。揺れ動く気持ちの中で悩んだ末「納得のいかないことには沈黙せずに、異議を申し立てること。そして闘うこと」を自ら選択したのです。ふくしま連帯ユニオンは意を決した勇気ある選択に応え、篤心会津田達德理事長がその社会的責任を果たし、関根たつ子組合員の思いを実現するまで共に歩み闘う覚悟です。
 多くの介護労働者は、正規であっても低い労働条件に抑えられており不安定です。ましてや非正規は尚更の事です。そして問題があっても声をあげづらい状況があります。こうした労働者の献身的忍耐によって、絶対になくしてはならない社会的介護は支えられています。全ての介護労働者に安定した雇用と生活できる正当な労働条件を実現することは、何よりも介護を受ける人々に。よりよい人間的な介護を提供することに繫がるはずです。
 介護現場で日々苦闘する労働者の皆さん、そして全ての皆さん。
 労働基準を下回っていたり、人格を傷つけられるような扱い、不当な解雇にあきらめずに抗議の声をあげよう。そしてスクラムを組み共に行動することが。介護労働者の閉鎖的状況を大きく改善し、社会的介護のあり方を大幅に変革することになると確信します。