2010年7月6日
郵 便 事 業 株 式 会 社
代表取締役会長 鍋倉 眞一 殿
郵 政 労 働 者 ユ ニ オ ン
中央執行委員長 松岡 幹雄
宅配便事業統合にに伴う業務混乱についての緊急申し入れ
  7月1日からのゆうパックの配達遅れは5日までで合計32万個、現在でも遅れが続き、現場の混乱は収束していない。ゆうパックへの利用者の信頼は大きく揺らぎ、すでに大口顧客のゆうパックからの撤退という危機的な事態を迎えている。
  こういう事態の中で、仕分け作業、配達業務、苦情対応など社員は昼夜を問わず必至に頑張っている。しかし、その頑張りに水を差す信じがたい会社の対応が行われている。
  7月4日、日本郵便ホームページ上に次のようなお知らせが掲載されている。
  宅配便事業統合に伴うゆうパックの送達状況について「郵便事業株式会社においては、7月1日にJPエクスプレス株式会社のペリカン便を承継し、ゆうパックとしてサービス提供を開始したところですが、一部業務の不慣れなどにより、現在、送達の遅れなどの状況が発生しております。」また、各社報道で鍋倉社長の記者会見が報道されているが、その内容は、「原因について『不慣れな職員がおり、手違いもかさなった』」(東京新聞7月5日朝刊)といずれも今回の業務混乱の原因を社員の不慣れに帰し、自らの経営責任は不問にふしている。
  現時点で、混乱を早期に収拾することが先決であり、この時点で責任論を展開することは控えなければならない。しかし、一連の発言や報道、さらに日本郵便会社の広報を見るにつけ労働組合としてこれをそのまま無視しておくことはできない。
  誰が、最繁忙時期に統合をすることを決めたのか。拠点ターミナルの選定に無理はなかったのか。
  各ターミナルや支店段階、また、JPEX内でどれほどの訓練、研修、業研が開催されたのか。現場では端末機器も配備されず端末操作の研修を短時分で済ましたのではなかったのか。
  業務混乱の最大の原因は、けっして「不慣れ」などではなく、「統合時期の誤り」と「準備不足」にあり、危機意識を持った現場からの様々な苦言や提言、要員措置要求をことごとく無視してきた幹部管理者の上意下達の意識と現場軽視の姿勢にこそあると考える。
  組合としてはこれらの強い問題意識をもっており、次の申し入れに対して早急に対応
されたい。
  1. ホームページ掲載「お知らせ」について組合指摘部分を撤回すること。
  2. 社長記者会見の全容を明らかにし、マスコミ各社報道についての見解を示すこと。
  3. 会社として今回の業務混乱の原因を明らかにし、労働組合および社員に説明する
    こと。
  4. 会社幹部の経営責任を明確にし、社員に対し謝罪すること。
  5. 業務混乱によって休憩時間がとれず、また超勤時間数をオーバーし業務に従事している社員が多数に及んでいる。全国的に実態を把握し、調査の上支給措置を講じること。
  6. 深夜におよぶ業務につき、タクシーでの帰宅あるいはホテルでの仮眠となった社員も多数いる。給与規定を準用し、実費分を補償すること。
以上