(閑話休題)民営化をめぐる世界の郵政のお話(イタリア編) | 世界一やさしい「郵政民営化」のお話

世界一やさしい「郵政民営化」のお話

小泉旋風では「賛成!」。民主党旋風では「全面見直し、凍結」。

でも、本当はどっちなの? それともどっちでもいいの?

今イチわかりにくい「郵政民営化」見直し議論。 今だからこそ、ぐっと分かりやすく解説してみたいと思います。

こんにちは。
ちょっと記事をアップするのに間が空いてしまいましたが、
今日も民営化を巡る世界の郵政のお話をしたいと思います。

前回はフランスでしたが、今日はイタリアのお話をしたいと思います。

イタリアの郵政はPoste Italiane(ポストイタリアーネ)
蛍光色の黄色が目印の郵便局です。

実はこのイタリアの郵政は、目覚しい変革を遂げた郵便サービスの例として
ヨーロッパで高い評価を受けています。



ポストイタリアーネは、今の日本郵政と同じ、
「株式会社化はされているものの、100%株は政府保有」の組織です。

ちなみに、世界の郵政の組織をみると

1)完全に政府と一体であって企業ですらないケース(株式会社化もされていない)

2)企業ではあるけれど、その株主が100%政府であるケース

3)企業であって、政府以外にも民間の投資家が株主になっているケース


と3パターンありますが、

ポストイタリアーネは、今の日本郵政と同じ 2)のパターンになります。
ですから正確には「民営化=株式公開、上場」はされていないのですね。


ちなみに前回お話したアメリカのUSPSは、「独立行政法人」ですから、一番「民営化」には遠い1)のパターンドイツは上場され、4割以上の株はすでに民間保有ですから、3)のパターンになります。

さて、話を戻してポストイタリアーネですが。


昔のポストイタリアーネは、事業の採算性という意味でも、サービスという意味でも国内の評判は最悪でした。

薄暗い郵便局。長蛇の列と長い待ち時間。迅速に配達されない郵便物。

国民の負担も噴出していましたが、事業としての採算も極めて悪かったようです。

「これではいけない!」と思った政府は、ポストイタリアーネの思い切った改革を始めることにします。
これがポストイタリアーネの株式会社化の始まりです。

ポストイタリアーネを政府の一部ではなく、「株式会社」にすると、たとえ政府が100%株主であったとしても、一般の企業と同じように他の企業を買収したりすることもできます。改革の自由度が増すわけですね。

同時に、政府は「やり手」経営者を外部から呼んできて、この株式会社の社長にしたのです。

実際、この経営者はその後、イタリアの地方銀行も立て直した「プロの建て直し経営者」でした。

彼はシンプルで、単純だけれども、とても大事な改革を2年間という短い期間でやり遂げました。

郵便局の中の照明を明るくすること。

ガラスをピカピカに磨くこと。

どれくらいの作業がどの郵便局でおきているのかを日々把握するシステムを導入したこと。

その情報に基づいて、必要な郵便局のスタッフ人数の見直しや作業方法の改善を徹底して行ったこと。

郵便局の「マネジメント=局長」自身が変革することがすべての鍵である、と信じ、
局長のマネジメント教育と人事に、徹底して時間とお金を投資したこと。



これらは、イタリアのメディアが何度も大きく取り上げるほどの「ポストイタリアーネの目覚しい変化」を引き起こします。

長い列は消えてなくなり、郵便局の中は明るく笑顔が絶えず、国民の郵便局に対するイメージは一新されます


例えば皆さんがイタリアに行って、ポストイタリアーネの郵便局に入ると、お客様の満足度を自動的に調査できる自動マシンがおいてあることに気がづかれると思います。

$世界一やさしい「郵政民営化」のお話


郵便局を利用したお客さんは、帰り際に気楽に、無記名でボタンを押していきます。

とっても満足ならニコニコマーク。そうでもなければ普通の顔のマーク。

ここで調査された顧客満足の結果は、
なんと、各郵便局の局長の評価に反映されて行く仕組みになっています。


すごい徹底ぶりですね。


さて、郵便局の改革に大成功したポストイタリアーネは、地場の金融機関を買収したりしながら、金融事業にも参入していきます。

ここでは当然「100%政府保有で、民間と同じ金融事業をするなんて、民業圧迫じゃないかー」という議論がおこり得ます。


ですが、ポストイタリアーネはとても積極的に地元の銀行や保険会社と話をし、

「うちのほうが拠点の数多いし、お宅の支店がないところにも店(郵便局)あるから、お宅の商品を代行販売してあげるね」

という約束を交わしていきます。

結果的に、郵便局が積極的に金融業に参入することで、地元銀行の住宅ローンや、地元保険会社の保険商品がたくさん売れるようになる、かえってメリットのほうが大きい、、

という議論に最終的に落ち着いたようでした。


こういうポストイタリアーネのケースをみていると、

「とても敏腕で有能な経営者が、正しい道筋で徹底的に変革を仕掛ければ、株式上場するしない全く関係なく、変革は実現できる可能性が高い」

ということなのかな、とも思います。


株式を上場する、ということは、経営者に対するチェック事業採算が改善しているかどうかのチェックを、誰の目からもガラス張りにすることです。

そんなガラス張りチェックがなくても、しっかり「変革」を実現できる経営ができるのかどうか。

日本の郵政民営化の議論は、むしろ、その本質に集中すべきなのかもしれませんね。


さて、ちょっとインターネットが切れそうなので、
次回のアップデートはあさってになりそうです。

どうぞお楽しみに。

次はドイツについてお話してみたいと思います。

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