[白日夢] 最終章 ~白日夢~(四) | toshichanのブログ

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【遅れてきた新人】の、内山敏洋 と申します。 蔵の中に溢れかえっている作品や頭の中に湧き出てくる作品を“どんどんと!”と、考えております。

呼び込みの声が飛び交う中、俺の歩みが少し速くなった。
あの少女が居た交差点が見えてきた。

どんよりとした曇り空のせいか、色褪せて見える。
大勢の信号待ちをしている人の服装が、皆くすんで見える。

目を凝らして捜して見るが、やはりのことにあの少女の姿はない。
気落ちしながらも、とに角ビルの壁際に立つことにした。

流れに逆らうように歩く俺に、視線が痛い。
と、俺の肩を叩くものが居る。

“田坂か…?”
そう思った俺に、突然思いも寄らぬ声が聞こえた。

あの声だ、少女の声だ。
思わず振り返ると、白のタンクトップに白いホットパンツ姿の少女が居た。

くすんだ人の中で、その少女だけは際立っていた。
情けないことに、言葉に詰まってしまった。

茶色に染めた長い髪を風に揺らせながら、少女はつぶらな目を俺に向けている。
ニコニコと俺を見上げている。

“黒子)、そうだ! 黒子はどうした? どこにもないぞ”

怪訝な思いでいる俺の腕を掴むと
「さっ、行こうよ」と、引っ張る。

「や、約束してたかな?」
「いいから、いいから」