田坂が興奮気味に、早口でまくしたてる。
「大体ですね。今まではスーパーマンみたいな男ばかりじゃないですか。
ベッドインすると、女は必ずよがるわけですよ。
オーオーと叫ぶか、ワーワーと泣くか、どちらにしても感極まるんですね。
でも、実際は違うでしょ?
そんな激しいセックスなんて、まずないですよ。
会社に電話が入るんです。
こんな風によがれないのは、不感症なんでしょうかって。
大丈夫です、小説だからのことですからって言うしかないじゃないですか。
そうしたら、嘘をホントみたいに書かないでくださいって。
先生、笑い事じゃないですよ。
その手の苦情ときたら、先生の作品が一番なんですから」
身振り手振り大きく、そしてエリを抱え込んでの田坂だ。
「こいつです、こいつもですよ。
『小説みたいによがらせて!』なんて、毎回ですもん。
勘弁してほしいですよ、まったく」
「だってさ。田坂ちゃん、自分だけなんだもん。
今度、センセにお願いしょうかしら」
と、片目をつぶる。
「お前みたいな姥桜を、先生が相手にするわけないだろうが。
先生はピチピチがお好みなんだよ。ねえ、先生」