[赤児と銃弾の併存する街] 七十六 | toshichanのブログ

toshichanのブログ

【遅れてきた新人】の、内山敏洋 と申します。 蔵の中に溢れかえっている作品や頭の中に湧き出てくる作品を“どんどんと!”と、考えております。

(七十七)

「お待たせ、お婆ちゃん」

「早よして貰わんと、どうにもならんぞ。

みんなでお昼を食べることになっちょるのに」

何という毒々しい言葉を吐く婆ぁだ。

ひょっとして、先ほどのわたしを陥れようとした老婆か? 

目を開けることができたなら、ジロリと睨み付けてやるものを。

「こんなに度の強いコンタクトって……」

「ごめんなさい。お友だちのレンズを、ちょっと借りてます。

黒板の文字が見にくくて。

前の方の席に行くの、嫌だったから…」

医者の言うことを聞かぬ小娘め、私の娘なら怒鳴りつけてやるものを。

少しは医者に対する畏敬の念を持てないものか。

憤慨するわたしだったが、まさかこの後にあのようなことになるとは、思いも寄らぬことだった。