(五十九)
一気に話したわたしに対し、突然にケタケタと笑い声が耳に飛び込んできた。
「いやいや、失礼。それは賢明でした。
お名前を間違えてましたか。
山本さんだと名乗られなかったんですね。
それで結構ですよ
。大丈夫、立派な対応でした」
“待て待て。
名前は…言わなかったはずだけれど…”
そんなわたしの不安を見透かしたように、
「もしもし、山本さん。
万が一にですね、お名前が相手に分かってしまったところで、だから何なんだ! ということです。
ご心配はありませんよ、大丈夫です。