[戻った彼女](一)
今、惨めさが深く突き刺さっている。
女学生が憮然として帰ったからではない。
不満げな表情を見せたからでもない。
頑なに己自身を抑え続けたことが、である。
反道徳だ!
無道徳だ!
その壁を打ち破ろうとしない己自身に、惨めさを感じたのだ。
「何故だ?
結局ダメなのか俺は。
今の俺に未練があるというのか・・・
馬鹿な!
考えすぎるからかもしれない。
俺は、自由が欲しい。
絶対的な自由が欲しい。」
積み上げた本の中から、図書館から借りだした一冊を取り出した。