年老いた男が訥々と語る、「男親と娘」のお話。
ある葬儀の席に現れた老人。
ざわつく場を後目に、じろりと一瞥して……。
喪主を押しのけて、鬼気迫る表情を見せながら話し始めた。
疑念を呼び起こす、愛の炎。
今宵あなたを、地獄へご招待します。
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(七)の一
翌日、娘は嬉々とした表情で出かけていきました。
わたくしは作業場にこもりっきりでございます。
妻でございますか?
はてさて、女と言うものはまったく理解に苦しみますですよ。
あれ程に反対しておりましたのに、何やかやと世話を焼いております。
腹痛の薬だ、かぶれの薬だ、と。
それにしても娘の居ない日々は、やはり地獄でした。
針のむしろの日々でごさいました。
毎夜、妻に嫌みを言われ続けたのでございます。
「あなた、外でお食べにならないでくださいな。
栄養が偏りますよ。
あなたは、人一倍栄養には気をつけなくちゃいけないんですから。」
などと、それはもう口やかましく言うのですよ。
わたくしが言い返さないことを良いことに、それはもう大げさに騒ぎ立てて。
ま確かに、体を壊したのは確かでございます。
おかげで軍隊も……。
しかしですぞ、もう十分に良くなっておりますよ。
あの日までは妻の手料理を食べておりましたですから。
滋養のある物をと、わたくしに用意してくれたことは忘れておりません。
そのお陰で、こうやって今まで頑張ってこれたのでございますから。