年老いた男が訥々と語る、「男親と娘」のお話。
ある葬儀の席に現れた老人。
ざわつく場を後目に、じろりと一瞥して……。
喪主を押しのけて、鬼気迫る表情を見せながら話し始めた。
疑念を呼び起こす、愛の炎。
今宵あなたを、地獄へご招待します。
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(参)の二
“俺を虚仮にして! あの男の娘なんだろうが!”
と、心の内では叫んでおりました。
どうして実の娘ではないと思うのか? とお尋ねですか。
お話ししていませんでしたか、失礼いたしました。
親の口から申すのも何でございますが、
実に頭の良い娘でして、常に学年で主席の成績でございました。
器量も、私に似ず評判の娘でございます。
お分かりでしょうか? 私とは似ても似つかぬ娘なのでございます。
まぁ確かに、妻に似てはおります。
唯、大木様のお話では、あの同棲相手の男の面影があるとのこと。
そう考えれば、全く納得のいくことでございましょう。
全く不釣り合いの私のような者に嫁ぐなどということが。
娘のおらぬ所でそのことを詰りましたのが、このお話の、ある意味では発端でございます。