義賊としてもてはやされた鼠小僧次郎吉。
彼は何故、大名屋敷ばかりを狙ったのか?
本当に義賊だったのか?
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(一)生い立ち
[真っ平ご免]
そして、次郎吉の手の中に入れるやいなや、一目散に駆けだした。
次郎吉は苦笑いをしながら、手の中のリンゴのかわいらしい歯形を見つめた。
”俺っちのような、半端者になるんじゃねぇぞ。”
と、子どもの後ろ姿に呟いた。
そこかしこから拍手が沸く。
苦笑いを見せつつ、着物の裾を端折った。
「お兄さん、切符がいいじゃないか。
男だねえ!」
小料理屋の二階から声がかかった。
途端に次郎吉は不機嫌な顔になり、
「真っ平ご免でえぃ!」
と駆け出した。